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ポストロックは終らない。(And So I Watch You From Afar ライブ感想)

 

 アイルランドの轟音&マスロック系のポストロックバンド、And So I Watch You From Afar(そして、だから俺は遠くから君を見るんだ)の日本ツアーがあった。その名古屋公演に自分は行ってきた。

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 ツアーは日本のポストロックバンド、Mouse On The Keysと回っていて、名古屋ではStiffslackの店長がやっているバンドの一つであるKmkmsがもう一つのライブアクトとして、彼らとともにライブをしてくれた。もちろん彼らも良かったのであるが、なんといっても主役であり、圧倒的なライブをしてくれた彼らについてのレポートをしたいと思う。(ちなみに、Mouse On The Keys はサポートギタリストに元Envyの富田を加えての4人体制で素晴らしい演奏をしてくれた

 

 そして何より、このバンドをこれを機に聞いてみようと思う人が少しでも増えることを願う。

 

 

 そもそも、今回のツアーは彼らが去年にリリースしたアルバム「The Endless Shimmering」のリリースツアーである。

 

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 このかわいいほのぼのとしたジャケットに対して、サウンドは凶悪で優美だ。

 

 まるで、轟音ポストロックバンドのモグワイのもつダイナミクス、マスロックバンドのドンキャバレロのもつ変則さと単音の美しさ、二つが融合したような音楽になっている。

 

 では彼らが名古屋でのライブでやってくれた曲を振り返っていこうと思う。

 

 

#1 「Dying Giants」


And So I Watch You From Afar "Dying Giants" (Official Audio)

 今回のツアーアルバムから。今作で自分が特に好きな曲からスタートしてくれて、テンションが最初から最高になった。静かなギターリフの掛け合いから始まってバーストした瞬間から全身を揺らした。高音でギターをかき鳴らすところではとてつもない爆音で耳が壊れるかと思った。でも不思議だ。脳が拒否してはいけないと告げるのを感じた。最前列だった。音のすべてが暴風として耳に、体にかかってくるのを感じた。そうやって彼らのライブが始まった。

 

 

#2「Gang」

#3「Like A Mouse」

 続けて2曲は彼らの過去のアルバムから。とにかく速い。激しい。一言も話さずにただ爆音で変則ロックをぶつけてくる。だが、曲の合間にある泣きの聞いた轟音がこれまた堪らなかった。この時点でどう考えても自分だけが他の人より2段階くらい高いテンションだった。ずっと体をゆらして、「Like A Mouse」では終始飛び跳ねていた。


ASIWYFA - Gang (starting never stopping)


Like A Mouse - And So I Watch You From Afar

 

 

#4「Terrors Of Pleasure」


And So I Watch You From Afar "Terrors of Pleasure" (Official Audio)

 ここでまたツアーアルバムの曲。これもすごく作品中で好きな曲。イントロが始まった瞬間に叫んでしまった。自分だけ。ブレイクが何度もある曲で、ライブで観ると彼らの音と演奏する姿の一体感の迫力が半端じゃなかった。音も激しいけど、演奏中の彼らもかなりテンションが高く、ハードコア出身のポストロックバンド、って感じがしてよかった。

 

 

#5「Mullaly」


And So I Watch You From Afar - Mullally - The Live Room

 簡単なMCを挟んでから。これもツアーアルバムからの曲。これもお気に入りで、やってほしかった曲(やたらと「好きな曲」って表現ばかりだけど、実際にそうなので申し訳ない)。切なくて高速のツインギターがしっかり聞けた後のバースト連発からのまた切ないツインリードに戻っていく展開がたまらない。

 

 

#6「The Endless Shimmering」

 ツアーアルバムのタイトルになった曲。ここまでハイテンションでぶっ飛ばしてきたところでのこれは染みた(これの時点で既に頭を振りすぎて首が痛くなってた)。ものすごく狂暴なアルバムを作っておいて、これをタイトル曲にするっていうところが面白い。きれいで聞きやすいメロが最後はやっぱり激しい演奏になるんだけど。疲れすぎててついていけなかった・・・。

 

 

#7「WASPS」


And So I Watch You From Afar - "Wasps" (Official)

 過去のアルバムから。いきなりの轟音と美しいコーラス。「もう勘弁して・・・」って体が悲鳴をあげていたにも関わらず、自分も一緒に思い切りハモったし、なにより音に自分の全部がもっていかれる感じがこの曲で一番感じられた。自分は全然シューゲイザーが好きじゃない(そのくせ轟音ポストロックは好き)が、「ああ。シューゲイザーが好きな人ってこういう感じがたまらなくて好きで、ライブに行くんだな」と、ジャンルは全然違うんだけど思った。とにかく素晴らしかった。

 

 

#8「A Slow Unfolding Of Wings」


And So I Watch You From Afar "A Slow Unfolding Of Wings" (Official Video)

 ここでツアーアルバムから僕がベストだと思う曲がきた。もうイントロの電子音の時点で叫んでしまった(またしても僕一人だけテンションが高すぎる)。激しさと超絶テクと、中盤の轟音。なにもかもが完璧すぎる。なんどもブレイクして爆音が爆音を呼ぶ。たぶん聞いてるときの自分の顔は「ザ・ベンズ」のジャケットみたいになってたと思う。エロ同人みたいに「んぎもぢいいいい」って、耳が。

 

 

#9「Search Party  Animal」

#10「Set Guitars To Kill」


ASIWYFA - Search:Party:Animal


And So I Watch You From Afar - Set Guitars To Kill

 過去のアルバムから2曲やっておしまい。最後はギターの轟音がずっとループするように放置して去っていった。爆音のリフレインがこんなにも気持ちいいとは思わなかった。

 

 

 

 で、アンコールはもちろんありました。2曲。いずれも過去のアルバムから。

en#1「Run Home」

en#2「Big Thanks Do Remarkable」


And So I Watch You From Afar - "Run Home" (Official)


Big Thinks do Remarkable - And So I Watch You From Afar

 

 en#1の美しいコーラスワークからの2本のギターの激しい絡みで、また一気にテンションが最高まで上げられた。途中のゆったりとしたディレイの効いた美メロパートがとにかくよかった。轟音がかき鳴らされるなかで最初のメロディとコーラスに戻っていく展開に鳥肌が止まらなかった。演奏も一層にかっこよかった。

 en#2はどうやら定番曲らしく(自分はファン歴が浅いのでよく知らない)、イントロで多くの人が歓声をあげた。演奏の途中で何度もメンバーが胸に手をあてて感謝の言葉を言ってくれた。ほんとにきて良かったと心から思える、大団円って感じのラストナンバーだった。

 

 

 

 

 以上がライブの感想である。ポストロックは終らない。このライブがあった日というのは、これまた轟音ポストロックバンド、This Will Destroy You の新譜が発表された日でもあった。愛知のポストロック好きにはとてつもない日だったのではないだろうか。(そちらの新譜の感想も後日記事にしたいと思う)

 

 

 ポストロックは終らない。むしろ今のバンドこそ過去のサウンドをうまく踏んだうえで次のレベルに引き上げているところじゃないかと思わせる。それは彼らやTangled HairやThis Town Needs GunsやThe World Is A Beautiful Placeでも思うことだ。

 

 ポストロックは終らない。

 

 ポストロックは終らない。

 

 ポスt

 

 

(文:ジュン)

 

 

【ディスクレビュー】6thアルバム きのこ帝国-タイム・ラプス

 

きのこ帝国タイムラプスジャケット写真

2018.09.12 6thアルバム タイムラプス

 

01.WHY

 グランジ/ギターロック感のある曲でのスタート。曲としても短く、シンプルないいメロディー。既にこれまでのきのこ帝国とは違う匂いが漂う。

 歌詞を見ればわかるが、表現方法を変えただけで、根底にあるバンドの魅力は何一つ変わっていないのだろう。あーちゃんかっけえ。

 

 

02.&

 かわいい曲。普通のポップスだ。正直これ単体だと「ほう」という気持ちだが、『畦道で』のサビで繰り返さていた"I hate you" を思い出さずにはいられない。

 そこから "I Love You" が足された。足されたというよりは、過去から思っていたことなのかもしれない。言いたいことが言えるようになること・表現できるようになったこの強さがきのこ帝国の進化の1つなのかもしれない。

 ”嘘つきだって罵ったって~抱きしめたいのにそれができない” のところ真理すぎて呼吸ができん。

 

 

03.ラプス

 ド名曲。音楽は実態がないので飲んだり食べたり触れたりすることができない。ということを心から悔やみたくなる曲。いろいろ言いたいことは多々あるが1つだけ言うとしたらコンちゃん腕4本生えてる?

結婚して。

大好きな曲だ。葬式で流す。

"愛せないなら消してしまえと 強がってみたけど 眩しくて"

は人間にも思うし、今作の先行でピンと来なかった自分に刺さりまくりの曲でしたね。

 

 

04.Thanatos

 タナトスギリシア神話に登場する死そのものを神格化した神)を表現したいらしくできた曲。(対になるエロスは性本能・自己保存本能を含む生の本能をさすらしいです)

 この曲も1曲目のようなギターロック系の曲。サビの疾走感と ”ドアを蹴飛ばしてみたいけど" がうまく重なっている。

 

    主観ですが自分はタナトス側だという佐藤千亜妃だが、タナトスを表現というよりは、エロス側になれなかったことを表現するような曲に感じた。

 

 

05.傘

    あーちゃんの装飾がとても光る曲。この人はデザイナーなのかよ。

    音的には前作の『愛のゆくへ』なんかに入っていても違和感のない曲。これまでの曲とライブでの絡み方によって更に化けるような曲ではないのでしょうか。

 

 

06.ヒーローにはなれないけど

 ダントツで過去にない曲。あーちゃんのカッティングもそうだし、佐藤千亜妃の少し子供っぽい歌い方、陽気な感じを出すリズム隊。底抜けに明るい。明るいけど、なんでか寂しさが纏うな。

なるべくなんにも考えなくてすむものを観て、「ははは」って笑って寝たい。音楽もそういうのがいいよな、って思うようになってきて。昔はもう一撃必殺みたいな曲を作ることしか考えてなかったんですけど、一瞬、間にはさまるみたいな、ポケットみたいな曲があってもいいなと思って。

 いい意味で肩の力を抜いてできた曲という感じ。

 

 

07.金木犀の夜 


きのこ帝国-金木犀の夜

 

  先行で聴いた時には「うーん」となりましたが、今ではわりと好きになってきた。

 イントロが美しいしメロもなんやかんや脳内で再生される。そういう曲「作るか~」って作れるマルチさよ。佐藤千亜妃のソロで現れたアダルト感がバンドの音として形を変えたような曲である。

 

 

08.中央線

 超かっこいいじゃん。イントロ一瞬クリーンになるとこのアレンジとか昔っぽい。

    ちっこいライブハウスで聴きたい曲ナンバーワンだ。そしてしげさんのベースがとても好きな曲。楽しさが伝わってくる。『国道スロープ』に生活感を加えたような曲でこのアルバムにはすごく合っている。謎に圧倒的な自信が伝わってくる曲だ。

 

 

09.humming

 なんかしげさんのちょっと間抜けな可愛いボイスが入っている曲。笑

『フェイクワールドワンダーランド』の匂いがする。

 

 

10.LIKE OUR LIFE

 アンビエント感のある曲。超好きだ。僕はあーちゃんファンなのであーちゃん分析をしがちなのですが、過去の作品のなかで美しさランキングは1、2を争うギターだ。あの人はおそらくギターをギターと思っていないところがある。大好きだ。多分ライブだともっと聴こえ方が違う気がするので、是非ライブで聴きたい。あとしげさんのベースがうねうねでいい。

 傘→LIKE OUR LIFE→MOON WALK→畦道で→ミュージシャン→足首 でお願いします。

 

 

11.タイトロープ

 ダウナーな感じの歌い方がかっこいい。本当に歪んだ音に映える声だなと思った。

    言葉の選び方なんかも若干投げやりな感じが垣間見えていて空気の作り方も作品の中で変えられるのは過去の経験がなければ無理なことなんだろうと感じた。

 

 

12.カノン

 無罪モラトリアムか?と思った。

   10年音楽活動をやってきた中での現在の解答が詰まっているような歌詞。でも別にこれが全ての答えではなくて、ここからまた音楽の良さや魅力をどんどんこのバンドは見つけていくような気がする。歌詞は大人びたけど、姿勢はどんどん若返っていくのかなーと。佐藤千亜妃の猫っぽい無邪気な歌い方からなんとなく思った。

 

 

13.夢見る頃をすぎても


きのこ帝国 – 夢みる頃を過ぎても

 最初の「ガガッ」がRadioheadのCreepかと思った。

    ストリングスも入って、王道J-POPといえばそうなんだけど、何故かきのこ帝国にしか鳴らせない音がなっている。生霊というか、ワンフレーズの背景に多くの人間が存在しているような感覚になる。供養というか。このアレンジとメロディーじゃなければ多分重すぎる曲になるんだろうな・・・。評判とかではなく、きのこ帝国というバンドにとって必ず必要な曲なんだろう。東京2.0という感じだな。

 

 

-まとめ-

賛否両論ある作品でしょう。

個人的にはピンと来ない曲もいくつかあり、なんとなく寂しく感じたりもした。でも、変わったのか変わっていないのかよく分からない。

 

表面的に聴けば、よりポップで悪く言えば「ありそう」な曲が多い。

でも、細部に目を凝らすと全員がこれまでの作品に宿してきた音を変わらずに鳴らしているだけだった。

 

新しい取り組みが感じられるかと言えば微妙だ。

しかし、これまで取り組んで来たチャレンジはすべて自分たちのものにしている。

 

私たちがみてきたそれぞれのきのこ帝国の遺伝子はすべて生きている。

決して時の中に閉じ込めずに、その遺伝子を組み換え、新しい生命体を生み出している。遺伝子を受け継いだ生命体(曲)たちは更に数を増やし、それぞれの生命体との関わりの中で表情を変え、1つの国を内側から変化させていくだろう。

 

良いも悪いも振り回し、我々を楽しませてくれる。

そんな表情豊かで、人間臭くて、眩しすぎるバンド。

 

10周年おめでとうございます。一緒に生きていけたらいいな~。

 

 

(文:さこれた)

 

 

タイム・ラプス(初回限定盤)

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どこにも行けない(くるり新譜「ソングライン」の感想とレビュー)

 

    待ちに待ったくるりの新譜が発表された。「ソングライン」だ。

 

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 自分は今年の3月にツアーを見に行った。その時にはこの新譜に収録された曲を多く披露してくれた。どれも素晴らしく、期待値はとても高かった。

 

 そしてそれはどんなアルバムだったのか。

 

 アルバムの感想をまたしても僕の友人、あつみ君と振り返る。

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ジュン(以降、ジ):さて、出たね新譜

あつみ(以降、あ):出ましたね

ジ:線のツアーからずっと待ってたよ

あ:僕は最終日の東京公演が収録されたBD付のものを買ったので、雰囲気は味わいましたが、羨ましい。

ジ:ハイネケン(ソングラインはツアー中はこのタイトルだった)、ニュース、忘れないように、春を待つ  が新譜に入ることはその時から分かってたしね。楽しみにしてたよ。とりあえず、ざっくりとした感想はどう?

あ:フォーキー、って表現したいところ。「その線は水平線」のような重いロックアルバムになるかなと思ってましたが、アコースティックな音像が耳に残りましたね。

ジ:ライブで岸田が「とっておきの曲」って言って「ニュース」をやってたから、俺はある程度この路線は読めてたかな。このアルバムはレコードで聴きたくなるね。Tokyo OPまでがA面。A面はソングラインとか、リスナーが楽しみにしてた曲をやって、B面は岸田が好きな曲を詰めた、って感じじゃないかな。

あ:レコードいいですね

ジ:それじゃ、また1曲ずつ感想を言っていこう

 

 

#1「その線は水平線」


くるり - その線は水平線

 

あ:シングルは2月でしたねリリースは。何度も聞いてすっかり耳になじんでました。

ジ:まさかの1曲目だね。

あ:そうですね。「How To Go」みたいに最後になるんじゃないかと思ってました。

ジ:「How To Go」。そうか。これはきっと「How To Go」の答えなんだな。歌詞にもあるし。『どこにも行けないさ。どこにも行けないの』って。

あ:だとしたらいいですね。

ジ:「アンテナ」の最後に「How To Go」を歌ってから14年経って、アップグレードされたけど、くるりのロックはくるりのロックでしかなかった。どこにも行けなかった。なんて象徴かもね。歌詞とか印象のことは置いておいて、今までのくるりの中でも、かなり重い曲だよね。メロディは彼らの王道って感じだけど。

あ:今までと同じようでいて新しさがある、ってとこはこのアルバムを通して言えるかな。

ジ:重いギターが注目されがちだけど、裏で鳴ってる鍵盤がいいね。

あ:『流星群』って歌詞のところでキラキラした音があるのもいいですね。聴くごとに発見があります。

 

 

#2「landslide」

ジ:いきなりだけど、俺はこれが今作のベストだと思う。

あ:おお。それはなぜ?

ジ:なんでって言われると困るけどね。全部の音がアコースティックで綺麗だからかな。俺、「アンテナ」でも好きな曲が「グッドモーニング」だし。

あ:この曲のウッドベースが印象的でいいですね。最後の歌詞のコーラスもこれからの季節に合っていていいですね。

ジ:そうだよね。本当は俺って季節を感じさせるような曲って嫌いなんだよ。押し付けられてるみたいで。でもこれは・・・なんだろう。冬を待つ曲なのに季節を押し付けるようなところが全然なくて、それでも秋に聞きたくなるような。そういう俺のめんどくさいところにスポっって入る曲なんだよね。

あ:自然そのものをイメージさせてませんか?ジャケットに一番合ってる曲じゃないかと思います。

 

 

#3「How Can I Do」

ジ:シングルのアルバムミックス。

あ:事前に発表されてた曲では一番でしたね。なんだか「ニッキ」を彷彿とさせませんか?

ジ:さよならリグレットに似たものを感じたかな俺は。シングル版のほうが重厚で俺はそっちのほうが好きだな。

あ:これに関してはそうですね。

ジ:どのあたりが好きなの、この曲。

あ:多部未華子とデュエットでこの曲が流れるCMが去年あったんですよ。それはアコギとピアノ主体のシンプルなものだったんですけど。正直シングルのほうを最初に聞いた時はそこまでだったんですけど、CMのバージョンを聞いた時にメロディの良さに改めて気づかされて、以来お気に入りです。

ジ:家にテレビないから知らなかった。メロディ自体は良さみが深いよねこれも。

あ:Aメロのフレーズが指折りのお気に入りフレーズです。

ジ:俺は途中の鍵盤のソロかな。

 

 

#4「ソングライン」


くるり - ソングライン

 

ジ:多分、たくさんの人が期待値をぶち上げて待つことになった最大の要因はこれ

あ:ライブには行けず、ニコ生で観ましたが、ギターソロすごかったですね。

ジ:生はヤバかった。トリプルギターが永遠に思えるくらいうねってたからね。

あ:そもそも曲の半分以上がソロですよねこれ。

ジ:アルバムに入って、缶をあける音とか野球の音とかSEがいっぱいついて、楽しい曲になってるね。

あ:『首位打者はカントリー』の応援歌カップリングはびっくりですね。

ジ:あそこの歌詞の語感は今作のベストだよね。『右手にサントリー泊まりはセンチュリー首位打者はカントリー』って。めちゃくちゃだけど。

あ:僕もここの語感が大好きです。たぶん新幹線に乗りながらサントリー片手に野球中継聞きながら、って旅の泊まりがセンチュリーなんでしょうね。この曲、ボレロとかLet it beみたいなところも面白いですね。あと、生活感あるかんじが「ハム食べたい」みたいだと思いました。

ジ:1アルバムに1つでおなじみのお気楽ソングにしておくには、迫力がありすぎるけどね。

 

 

#5「Tokyo OP」

ジ:岸田「僕らがオリンピックや」(ツアーで披露時の一言)

あ:ガンダムかよ、ってかんじですね。

ジ:草。

あ:「惑星づくり」の完成度にも匹敵する激やばなインストが爆誕しましたね。

ジ:これはツアー中も公式のインスタグラムに演奏の様子を見せてくれてたね。そのときからアツかったね。いやぁ。くるりって、プログレバンドだったんだなぁ()。「東京」でデビューしたバンドが今作で「東京オリンピック」をやってると思うとそこもすごみがある。

あ:中学時代からの長年のインナーワールドがようやく具体化できたとのことです。ドラクエとかFFの戦闘曲から着想があるようです。

ジ:ほんと岸田はドラクエ好きだな。

 

 

#6「風は野を越え」

ジ:レコードならここからB面かな。

あ:僕にとっての今作のベストですね。

ジ:たしかによくできた曲だよね。

あ:セルフライナーノーツが面白いです。この曲は去年から今年にかけて作られたそうですが、コンセプトは「デビュー当時のくるりに持たれていたパブリックイメージの再現」だそうです。岸田は「実際はミディアムスローなテンポ以外は今も昔もくるりに当てはまる要素はない」ってその後続けてますが、僕はまさに「僕の住んでいた街」の前半部を聞いてるような感覚があるんですよね、これ。くるり全体を通しても上位にくる曲です。

ジ:ジュビリーがバンドサウンドになったみたいだと俺は思った。あと、これも結構ギター重いよね。こんな音だしてくるの久しぶりじゃないかな。

あ:90年代シューゲイザーとかグランジの音がイメージにあるとか。

ジ:オルタナティブだなぁ。ここ数年は音の数で厚みをだしてたところを、数を減らして一つ一つを大きくするような。そういうクラシカルなくるりを感じるよ。

あ:引き算の渋さがありますよね。そこも好きです。ただ、いい曲なのにファンファンのトランペットがないんですよね。

ジ:それはライブに行ってのお楽しみということで。それにしても、CDを買うと岸田のセルフライナーノーツが読めるのは超お得だよね。

 

 

#7「春を待つ」

ジ:これはツアーでも聞いた。よかったなぁ。

あ:その線は水平線、のカップリングでもありましたね。

ジ:くるりらしさがものすごくあるよね

あ:これは本当にデビュー当時の曲みたいですよ。間奏を挿入した以外は当時のままで。コールドスリープさせていたものを覚醒させたようになってますよね。

ジ:ほんとに「どこにも行けない」って感じだね。すごいぞ、くるり

 

 

#8「だいじなこと」

あ:「春を待つ」のメランコリックな終わりから始まるオーボエがたまらないわけですよ。

ジ:これ1分半しかないんだな。流してると気づかなかった。内容濃いなぁ。

あ:面白いですよね。アニメ「3D彼女」のOPのためにって90秒で収める、ってできたそうで。岸田が原作の漫画も読んで主人公の気持ちで書いたみたいで、クリエイターな仕事ぶりが見えますね。

 

 

#9「忘れないように」


くるり - 忘れないように

 

ジ:ツアーでやったとき面白かったな、岸田。色々話してから「いやほんと忘れないように気をつけないと。というわけで、「忘れないように」という新曲やります」って。自分でフリすんなよ。(笑)

あ:97年頃に作って忘れてたものを、その線は水平線た春を待つを作ってるときに思い出してできたんだそうです。

ジ:うっすら鳴ってるけど、レゲエみたいなギターが気持ちいいよね

あ:古い曲なのに、ほかにあまりないファンキーさがありますよね。

ジ:古い曲と今の曲のハイブリッドで、フィジカルグラフィティみたいだね。・・・違うか。

あ:ところで、これいろんな曲を彷彿とさせますよね。いやむしろオマージュというか。

ジ:・・・そこはなるべくノータッチで話してたけどね。うん。思ったよ。イントロがめっちゃスピッツ涙がキラリ☆」だし

あ:コーラス完全にオアシスですね。「Go Let it Out」なんて。確信犯。

ジ:サビの入り方「How To Go」に似てるし。

あ:メロディほぼ同じですね。サビは竹内まりあの「元気を出して」みたい。

ジ:この辺にしとこう。いろんな要素が自分たち風に表現できるっていうくるりの持ち味が古い曲に乗っかった名曲ということにしよう。

あ:そういうとこがハマってるとこですね。

 

 

#10「特別な日」


【公式】くるり×ジェイアール京都伊勢丹 創業20周年メモリアルソング&ムービー「特別な日」

 

ジ:アルバム収録曲が分かった時に一番意外だと思った曲だな。だいたいくるりはこういう曲はアルバムから外してきてたし。

あ:京都伊勢丹のメモリアルソングですね。

ジ:PV楽しい。

あ:企画で生まれた曲ですが、アルバムにはなじんでますね。

ジ:湿っぽくなりすぎないように、ってことではいいね。岸田はほんとにこういう曲をつくるのがうまいな。

あ:伊勢丹の従業員に取材して歌詞ができてるみたいですしね。日常を感じさせる良い曲です。

ジ:俺はこれこそ「1アルバムに1つでおなじみのお気楽ソング」だね。あとは歌詞ね。『思い切り泣いたり笑ったり』ってとこに反応してしまうよね。これが聞けるから京都は羨ましいよ。

 

 

#11「どれくらいの」

ジ:これいいよなぁ

あ:「風は野を越え」に次ぐお気に入りです。「魂のゆくえ」にありそうですよね。

ジ:だよな。サビもアウトロの渋さも。

あ:あのころのジャジーなピアノがここで生きてるのがうれしい。ライナーノーツではデヴィッドボウイやピンクフロイド的って言ってますね。

ジ:「マネー」とか「アス&ゼム」かな。

あ:ブラスの雰囲気は似てなくはないですね。

ジ:歌詞いいわぁ。韻をふんでいくかんじ。

あ:言葉数は少ないんですけど、説得力ありますね。でもなんといっても、アウトロのドライブしていって、最後にディレイの残響を残して突然終わる展開が素晴らしいですよ。

ジ:ここまでドラマチックなソロの入りをしてる曲は今までなかったかな。

 

 

#12「ニュース」

ジ:ツアーでとっておきの曲としてアンコールでやってくれた。アルバムの〆。

あ:松山千春とか中島みゆきみたいな染み入る歌い方ですね。

ジ:「坩堝の電圧」の「グローリーデイズ」みたいな、その時の世情をよく表したいい〆をしてるフォークロックだよね。

あ:ニュースってタイトルの時点で時事的ですよね。遠まわしに歌詞でにおわせてきてますね。

ジ:おれはこの曲の感じはlet it beみたいだなと思ったよ

あ:コード感似てますね。あと、この曲も「どれくらいの」みたいにアウトロで厚みが増えていくのがいいですね。

ジ:ライブでよかったんだなそれが。

あ:今作はライブ映えする曲が多いんですかね。

ジ:ツアーでやってくれた曲をたくさん入れてるってことが大きいかな。

あ:事前にいろいろやって、ネットとかの評価を参考にしながら作品を提示していくってやりかたが今っぽさありますね。

ジ:ライナーノーツはどんなこと書いてあるっけ。

あ:去年の初春ごろに書かれた目下最新曲らしいです。(アルバム制作は昨年の初め頃からで、曲作りは2015年にいくつかやってたそう)過去のものや長い時間をかけてできたものが多いアルバムのなかで、こういう曲で〆られるのは面白いですね。

 

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最後に改めての自分とあつみ君の全体の感想、そして採点を載せて終わろうと思う。

 

あつみ

坩堝の電圧で長くてコンセプチュアルなことをやって、Pierで音楽の旅をイメージさせてましたが、そういうものよりは、今作ソングラインは繰り返される日常に寄り添うものになってるんじゃないでしょうか。その中でもソングラインのサウンド・コラージュだったりTokyo OPの刺激的要素もあって、くるりのいろんな面が一つにまとまってる。これから聞くひとにはこれを勧めるのもアリでしょう。」

 

ジュン

くるりのスタンダードとして永遠に残ると思う。俺の中でずっと「アンテナ」が最強だったんだけど、今作がついにそれを越えたと思う。くるりの王道ロックがここまで突き詰められた作品が今まであったか?と思えるくらいには素晴らしい」

 

 

 

 

採点

 

あつみ 89/100

ジュン 4.0/5.0

 

 

(文:ジュン)

 

 

Pale Waves「My Mind Makes Noises」全和訳(後編)

 

早速続きから。

 

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#8「She」(注1)

あたしの愛しいあなたは昔そうだったみたいにあたしに触ってくれない

思い切って髪を変えるべきなのかな

それとも(変えるべきは)あたしの着てる服かな

あたしはただ貴方にキスする日々を楽しく生きてたわ

もしかしたら、こんな(日々)よりはいいものだったかしら。あたしたち

 

(※)

貴方は変わりの他の誰かでイッてるの?(注2)

嘘は言わないでね。あたしは言えるから。

彼女はあたしと同じくらい貴方を気持ちよくできてるかしら?

 

服を脱いで、あたしは自分の体をじっくりと見てみるの

あなたは十分には満足してないみたいね

だからあなたは他の誰かで満たすのね

あたしはいろんなやった上で情けないなって感じてるのよ

どうしたらあなたはあたしを愛するってことをやめてくれるのよ。こんな問題だらけの日々の中で

あなたはあたしの心をどうしようもなく傷つけてるのよ、あなた

 

(※)リピート

(※)リピート

 

貴方は代わりの他の誰かでイッてるの?

嘘は言わないでね。あたしは言えるから

 

(注1)

一部の「you」は主人公の女の子の「今の恋人」あるいは「結婚した相手」を表していると思うので、表記を「あなた」とひらがなにしてある。「貴方」がかつての恋人。いわずもがな、このアルバムのもう一人の主役の男の子である。

(注2)

「get off」には『異性と性的に親しくする』、『オルガスムスに達する』という口語の使い方があるようなので、そういう風に訳した

 

 

#9「One More Time」

貴方、昔は貴方の車でよくドライブしたわね

どんなことがあったっけ

それはそんなに遠い(昔の)ことじゃないわよね

こんな風に終わっちゃうなんて思ってなかったわ、あたし。貴方が最後にキスをくれるまではね

あたしたち一晩中床で寝ちゃったりなんてしたわね

あたしは貴方と恋に落ちたわ。ほんの2秒しか過ぎてないのに(注1)

ただあなたの心はどう変わったか、教えてくれないかしら

だって貴方はあたしが頭から離れてないみたいだったわよね。あたしたちが17の頃みたいに

それにあなたは苦労してあたしの手に触れないようにしてたわね

でも今、あたしたちを見てよ、今

どんな風にあたしたちは描かれるかな

 

(※)

ただ貴方がもう一度ほしいの。もう一度欲しいの。

貴方との、貴方との、あの最後の夜をもう一度くれない?

 

あれから今で3か月ね。話し合えるかなあたしたち(注2)

貴方はどんな風にあたしを外に、貴方の家の前に放っておいたっけ(注3)

貴方を窓の外から見たら貴方は階段のところで泣いていたわね

きっと貴方は気にしてなかった

ただ貴方を近くに引き寄せたかった

でも間には壁があった

ただ、17のころにあたしたちは戻れないのかしら

 

(※)リピート

 

あたしは目を覚ましたまま横になって、あたしたちがかつては、かつてはどんなだったかを思うの

貴方はあたしを弱らせるような細かなこと全部をやってきたわね

 

(※)リピート

 

(注1)「I fell in love with you as the seconds went by」を訳してみたが、自分はたぶんこうじゃないかと思う

(注2)3か月というのは、#5「Loveless Girl」の久しぶりに会った時からの3か月だと思われる

(注3)外に放っておいた時は、#12「Black」で歌われる描写と同じ時だと思われる

 

 

#10「Television Romance」(注1)

みんなハイになってる

みんな心を失ってる

君を探してる

俺はいまだにここで自分が何をしてるのかわからない

ただ俺に教えてほしい

だってむしろ、俺は独りになるからさ

 

君はとても幸せ

君の心は変わってる

君は俺を愛したがっている

でもハニー、それはだめなんだ

君はそれほど素晴らしくはない

それほど心地よい音ではない

でも朝には、それが変わるかもしれない

 

(※)

ああベイベー、やめてくれ

君と俺は手に入れてないんだ

テレビジョンロマンスを

 

 さて、俺はまだ君になんていうべきなのかわからないよ

君が俺のところへ来てるんだと感じてる

そしてそれは君が俺(の心)に入ってくるってことなんだってことも

君は決して、決して満たされた表情ではない

それは俺を引き留めるために

 

(※)リピート

 

俺のことを今夜独り占めできると思ってるのかい?

俺の、俺の心はそれでもいいってさ

分かるよベイベー。俺はいつだって手に入れてきた

でもほんのちょっと経ったら、俺は心の殻を破るんだ(注2)

 

(※)リピート

 

(注1)この曲はこれまでの二人の曲かもしれないが、自分はこの曲は

Loveless Girl」で出てきたテレビで当時二人が見ていたロマンスものを表していて、このアルバムを聞く人にとっては、これからの曲で過去を見せるための導入の役割があるんじゃないかと思ってる(それは個人的な願望でもある)。なので、「俺」と「君」という訳し方をしている

(注2)「I'll be out of my mind」をかなり脚色をつけて訳している

 

 

#11「Red」

 あたしたちは隣り合って座ってる

貴方はどんなことを感じてるのか知りたいわ

教えてよ何を感じてるのか

貴方はまだあたしの心から離れてないわ

許して。そうしようとはしたのよ。したの・・・

お酒の為にって、あたしはホテルで貴方に逢ったわね

それで2、3時間経って、貴方はあたしにべったりになってたわね。べったりに・・・

そしてあたしは、赤は貴方の好きな色だってことを知ったわ

それで二人で同じところに座って、お互いの真似をしあったわね

 

(※)

ああ。愛しい貴方。「それ」をこの時にする?

いつだってあたしは受け取ってる。自分だけのものじゃないものにすべきじゃない、あたしたちの気持ちを

ゆっくりね。貴方。「生きてる」って感じにしましょ(注)

もういつだって覚えていられるって顔を貴方はしてるのよ

 

それで貴方はあたしの欠けた歯を笑っちゃってたわよね

でも言ったわね。「それも似合ってるよ」って

貴方は(あたしの)全部に気をかけてる

あたしは貴方のお友達達がなんて言ってるのか知ってるわ

ああ。そんなのどうでもいいの

その全部も、結局はあたしと「愛してる」ってことに入ってるの

 

(※)リピート

 

そしてあたしは赤が貴方の好きな色だって知ったのよ。

 

(注)元の歌詞は「Slow down, baby. Are we gonna make it alive?」

 

 

#12「Kiss」

ああ、貴方はどうやったらあたしのところに来れるか知ってるでしょ

あたし、とってもさみしいの

貴方があたしの頭の中にいるのよ

「泣きすぎだよ」って貴方はあたしに言ったわね

えっと、それがたった今の貴方のやり方なのね。たった今のやり方なのね

今夜貴方が欲しいって分かってるでしょ

どうしてほとんどの夜で貴方はあたしの頭の中なのよ

 

(※1)

貴方は夢の波

貴方の愛は穢れなきものなのね

貴方は夢の波

貴方の愛は穢れなきものなのね

 

ねぇ、言うべきことは分かってるんでしょ

貴方は違うやり方の愛をしてる

タバコのにおいがする

あたしたちは天国がどこかなんて知らない

寒気がしてるの

でもきっと、あたしたちは違うのね

 

(※1)リピート

 

(※2)

キスして。はじめてした時みたいに

キスをしてよ。あたしが貴方の心を壊していくみたいに

 

(※1)リピート

(※2)リピート

 

 

#13「Black」

貴方は嫌いになってきたのね。最近変わっていくあたしのことが

ねぇお願い。そんな風にあたしを見ないでよ

あたしの心がなんだか責められてるみたいじゃない

 

もうそこらであたしを求めたりなんかしない、なんて言わないでよ

あたしは変わっていってるんじゃないの。ただ待ってるの。あたし自身を理解し終えることを

 

(※)

もう貴方はあたしたち二人が愛せないのね。でもあたしは、あたしはそうするわ

あたしたちはそれが相応しい、とは貴方は思ってないのね。でもあたしは、あたしはそうじゃない

 

なんだかあたしの心が責められてるみたいじゃない

 

貴方があたしといた道が恋しいわ

貴方はあたしの顔にそっと優しくタバコを吹きかけて

それでおでこにキスするわね。あたしが眠れない時に

そして分かってるわよ。あたしが理屈っぽいって

なんであたしは貴方がすごく間違ってるように感じさせちゃったのかな

あたしは今まで、あなた対して「痛み」しか、してないように思える

愛してるわ。でもそれは期限切れなのね

 

(※)リピート

 

貴方の家の外で泣いてる

でも貴方は出てこない

電話で貴方は叫んだ

そしてその今、貴方はしでかしてしまったのよ。あたしと一緒にね

 

(※)リピート

 

 

#14「Karl」(注)

あたしは14歳で、兄は23歳だった。パパがあたしの横に座って、あなたが逝ってしまったと告げた時に

あたしは彼らがあなたのことをおかしいって言うのは聞いてなかった

あたしはあなたをあたしの中に最近よく見るのよ

あなたの為に曲を書いたの

それは「かくれんぼ」っていうの

あなたは決して聞いてないけど、あたしのタトゥーでもあるの

それで、あなたがあなたの椅子に座ってるのを見ることが、あたしは好きだったのよ

タバコをふかしてて。気づいてないけどそれは美しくてね

 

(※)

死んじゃうって、どういうことなのかな

時々、あなたがあたしの頭をよぎるわ

ひどい嘘。だって心にはずっとあなたがいるんだもの。いつだって

死んじゃうって、どういうことなのかな

 

ロンドンでのショーが終わって、タクシーに乗って、

あなたの好きだった曲が流れた

ちょっと泣いちゃったけど、すぐやめた

あなたにそれは隠せないわね

あなたがとても恋しいの

ママがあなたを見つけたのはクリスマスだったわね

ママは立派な顔を向けてた。あたしはまっすぐには見れなかった。

でもあなたのこころは美しくて、普通じゃなくて、とても愛らしかった

あなたの心は美しくて、普通じゃなくて、すごく愛らしいものだったのよ

 

(※)リピート

 

(注)この曲は、ヘザーが「亡くなった祖父を想って作った曲」と言っていた。だが自分は、これまでの物語のエピローグとして存在しているような気がするのだ。

 今までの男女の物語は、実はこの曲の主人公のミュージシャン(それはヘザー自身かもしれない)が音楽作品として作ったもの。死んでしまった男の子とかつての自分をモデルにしながら、これまでの男女の物語を作った。そして完成して、その死んだ男の子のことを思い出す。

 そういう終わり方なんじゃないかと。(激しい妄想だと自分でも思うが)

 

 

 

 

 

 

 

 

 以上が、「My Mind Makes Noises」の全訳である。だいぶ自分の脚色というか誇張が入ってるような気がするけど。

 

※「ここの訳がおかしい」という意見があればぜひお願いします。その都度修正します。

 

 このアルバムが全体的に持ってる切なさは存分に和訳に出すことができたんじゃないかと思ってる。

 

  この和訳で、よりこのアルバム、そして彼らを好きになってくれたらうれしいし、この和訳から彼らを聞いてみようと思ってくれたのであれば、もっとうれしい。

 

 

(文・和訳:ジュン)

 

 

Pale Waves 「My Mind Makes Noises」全和訳(前編)

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 先日リリースされたPale Wavesの「My Mind Makes Noises」について、自分はすぐにレビュー記事を書かせてもらった。(以下がその記事である。)

 

delivery-sushi-records.hatenablog.com

 記事では歌詞の考察も含めて多くのことを書いた。曲の良さはもちろん、非常にこのアルバムはすべてにおいて歌詞が素晴らしい。

 そこで、この音楽サイト、出前寿司Recordsの記事としては異色ながら、「My Mind Makes Noises」の全曲の和訳を書かせてもらおうと思う。改めてこの記事から彼らのデビューアルバムの良さがより分かったと言ってもらえれば幸いである。

 

(なお、自分はお世辞にも英語ができる人間ではないので、誤訳が多いところは多めに見てほしい。申し訳ない。また、元の英歌詞は以下のサイトと自分の耳を頼りにしている)

 

(↓歌詞参考サイト↓)

https://www.azlyrics.com/p/palewaves.html

 

 

 それでは、いってみよう。

 

 

#1「Eighteen」

この街はあたしを落ち込ませる

でも、貴方はあたしが望むすべてでいようとしてくれている

あたしたちは隅っこに座ってキスをしあう

やっと「色」というものを見たような、そんなことを感じるの

 

(※)

貴方に出逢った時、あたしは18だった

あたしの心を溢れさせて、あたしの全部の真実を切り裂いた

やっと「感じる」ってことが初めてできたように感じたの

貴方に出逢った時にね

 

皆、あたしたちを通り過ぎていく

(あたしたちは)何度も何度も同じ話をしてる

一晩中あなたの横にいれたらいいな

愛しい貴方。ただのあたしと貴方でいいのよ

 

(※)リピート

(※)リピート

 

 

#2「There's A Honey

君が望むなら、僕の心にいていいんだよ

僕が泥酔してるときが君は嫌いなんだって知ってる

でも、簡単じゃないんだ

感じたいんだよ。何かが一度目と違うってことを

 

僕の愛が君を壊して、壊していく

やめられないんだよ

だって君を、君を感じてるんだから

ああ、ハニー。お願いだから僕から離れるなんて言わないで

ハニー、お願いだから僕から離れるなんて言わないで

 

(※)

君に僕の体をあげるよ

でも自分でも君が僕を欲しいかってことは不確かなんだ

自分でも君が僕を欲しいかってことが分からないんだ

 

ああ、そして君は大丈夫じゃないんだね

だって僕がきみの夜を台無しにしちゃったんだもの

えっと、ハニー。これが僕の得意技さ

君は今、見当たらない

だって僕が君の心をぶち壊しちゃったんだもんな

えっと、ハニー。君は僕がそうしたって知ったんだよね

 

(※)リピート

 

そして僕が「悪いな」と思ってた誰かさんがいる

君は、僕が君のその心を僕だけのものにしたがってる、ってことがわかってるよね

悪いなと思ってた誰かさんがいるんだ

僕は目をそらせないよ

君は、僕が君のその顔に首ったけ、ってことを知ってるよね

 

(※)リピート

 

 

#3「Noises」

あたしの心がざわめきすぎてる

ゆっくりと自分自身が失われていくのを感じるわ

あいにく、あたしは助けを必要としてるみたい

 

どうしてあたしは自分の体をこんなにじっくり見つめてるのかしら

夜、落ちちゃって床にはいつくばってる

分かってるの。それはよくない、でも貴方はあたしを今度は治せないってこと

 

(※)

あたしが貴方を見つめてる時、貴方にはなにが見えてるの?

最近自分の気持ちが抑えきれないのよ

興奮してるの

悲しいの

貴方、あたしは「感情」というものを手に入れたの

 

ヘザー、あなたは馬鹿よ(注)

またあなたはやりすぎちゃったのよ

あなたの愛した顔がゆっくりとあきらめた感じになっていってる

あなたはなにがしたいのよ

 

(※)リピート

 

あたしはまだ同じまま?

でも貴方はそれを認めるのがイヤって・・・

「年が過ぎて、それでなんにも変わってないように思える」って、

それがあたしなの?

教えてよあたしがなれるようなあたしを

あたしは自分を見つめなおして、自分の何が嫌いなのかわかるわ

幻(の自分)を演じて、貴方の頭を溶かすの

 

(※)リピート

ねぇ教えてよ

(※)リピート

あたしを見てよ・・・

 

(注)おそらくこの主人公はヘザー自身であり、頭の中の冷めた部分がヘザー自身に語り掛けていると思われる

 

 

#4「Come In Close」

貴方に初めて出逢ったまさにその時から知ってるわ

貴方はすべきことの為に部屋で泣くことが好きだって

貴方の手があたしの体に触れて、あたしたちが始まったことを教えてくれるわ

分かるのは貴方に行ってほしくないってことだけ

なにかが頭のなかで引っかかる

それはいつもあたしに告げるの。今夜、貴方と恋に溺れてはいけないって

 

(※1)

ねぇ、もしもあたしが貴方にキスしたくて近づいたとしたら

貴方は「ノー」って言う?

本当に貴方が欲しいのはあたしなの?あたしなの?

本当に貴方が欲しいのはあたしなの?あたしなの?

 

誰も知らないわ。貴方とあたしのこと

どんな風にあたしたちがテレビをみてるのか

時々キスするってことも

貴方が部屋にいるときはいつだって、あたしは何にも、何にも見えてないの

貴方以外は

 

(※1)リピート

 

(※2)

ただの友達でいたくないわ。でもこれは(いつか)終わってしまうって分かってるのに

 

(※1)リピート

(※2)リピート

 

 

#5「Loveless Girl」

(※1)

Oh, Loveless

Oh, Loveless

Oh Loveless girl

 

少しの間見なかったけど、なんだかずいぶん年を取ったように見えるわね

貴方の髪が抜けちゃうときはあまりに完璧だったものけど、それが私には不思議だわ

会わない間のここ数年、貴方はどうしてた?

テレビは進歩したものに変えた?

あたしが時々気に取られるのが、貴方はずっと好きになれなかったわね

(これから)あたしは「貴方は大丈夫だな」ってふりをして、二人でぎこちなく笑いあって、お互いの家族の話をするのね

 

(※2)

Loveless Girl」。それは貴方はあたしをよくそう呼んだものよね

結局あたしはそのままでいるわ

もしも貴方が心変わりしてたなら、今のあたしは変わってたかしら

Loveless Girl」

 

(※1)リピート

 

貴方があたしを見るときの感じ、全然変わってないわね

でもあたしは貴方が望むようには決してならなかった

貴方はいつも、あたしは冷たいって言ったわね。でもあなたといるときだけだったわよ

 

(※2)

 

最近、貴方が戻ってくるんじゃないかって思ってたの

(なのに)あなたは全然「意外」って感じが無くって、あたしがそれが嫌だわ

あたしは本当に変わったのよ。あたしが同じようには感じてないってわかるでしょ

もうあたしたちはこれ以上無理って思ったわ

 

(※2)リピート

 

(※1)リピート

 

 

#6「Drive」

僕は23で、まだ同じ「もしも・・・」を感じてる

これは君についてじゃない。僕についてだ

僕は僕のやりかたをどうにもできない

誰も分かってないみたいだ

僕は大丈夫じゃない。でもそれはいいんだ。本当に

僕は大概の時間で一人でいたい

他の誰でもなく自分自身に話しかける

それが僕の好きなやり方

好きなやり方だよ

 

(※)

それが頭の中で奴らが言ってた事の全部か?

僕は良すぎるなんてことは感じてない

なんだか誤解されたように感じる

それが頭の中で奴らが言ってた事の全部か?

良すぎるなんてことは感じてない

できるなら泣きたいよ

 

ぶっ飛ばしてドライブする。(そして、)僕は「何か」を感じるんだ

僕は自分の人生をぶち壊した。ただなんでもないものの為に

僕は何もかもすべてと共に、恋に溺れ、そして心が離れていった

本当に僕はいったいなにをやってるんだろう

 

(※)リピート

 

ぶっ飛ばしてドライブする。(そして、)僕は「何か」を感じるんだ

ぶっ飛ばしてドライブする。(そして、)僕は「何か」を感じるんだ

 

(※)リピート

  

ぶっ飛ばしてドライブする。(そして、)僕は「何か」を感じるんだ

ぶっ飛ばしてドライブする。(そして、)僕は「何か」を感じるんだ・・・

 

 

#7「When Did I Lose It All」

そのすべてを失ってしまったのはいつだっただろう

瞳の端に貴方がいたのが見えた

あたしたちが交わって堕ちていったのはいつだっただろう

それはいつだって貴方だった。貴方だった

一緒に愛し合って年老いていくんだって思ってた

あたしたちはお互いを最高まで高めていったわね

貴方はあたしを信じさせてくれたわ。あたしたちなら、なんだって、なんだってできるんだって

 

(※)

これから、これから、貴方を放してあげるわ

貴方と結ばれたいの。でも今じゃないの。今じゃないの・・・

 

首の下にキスして、あたしたちの瞬間

直前であたしは、貴方がどんな風に味わって、どんな風に感じるのか忘れちゃったわ

あたしたちが死んじゃってるみたいに触って

はじめての時みたいに触って

あたしは決して横にならずに、あたしたちの為にって必死になって試したわ

あたしたちの為にって必死になって・・・

 

(※)リピート

 

あらゆるものの中で一番悲しいことをあたしは知ってる

貴方があたしの肌の下でしなびて、そしてあたしがイかないこと

貴方があたしにサヨナラを告げたときに、あたしの中の一部が死んでしまって、あなたをあの夜に置き去りにしてしまったのよ

貴方があたしにサヨナラを告げたときに、あたしの中の一部が死んでしまって、あなたをあの夜に置き去りにしてしまったのよ

あたしたちはそれがまさに最初の時だったって認めたわよね(注)

 

(※)リピート

(※)リピート

 

 

(注)ここでの「最初の時」というのは、2人の関係が冷めていく、終わっていくことの「最初」ということではないかと思う。

 

 

 

 

後半へ続く。

 

 

(文・和訳:ジュン)

 

 

My Mind Makes Noises レビュー(Pale Waves デビューアルバム)

 

    現在注目を集めるマンチェスター出身でthe 1975の後輩にあたるロックバンド、Pale Waves。そのデビューアルバム「My Mind Makes Noises」が9/14にリリースされた。

 今年のサマーソニックにはそれまでに出した曲を引っさげてライブをし、多くの人を虜にした。期待のルーキーである。

 

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 今回はこのアルバムを、僕の友人、あつみ君と会話形式で掘り下げていこうと思う。

(あつみ君は前回僕がデスキャブとフォクシングについて書いた記事でもコラボしている。よければそっちも読んでほしい。以下がその記事のリンクである)

風。(デスキャブとフォクシング) - 出前寿司Records

 

=========(以下、会話がスタート)=========

ジュン(以降「ジ」):まず今回の新譜、全体のざっくりした感想はどう?

あつみ(以降「あ」):1stアルバムとして完璧って印象ですね

ジ:ほほう。俺は、100点満点ってほどじゃないかな。若干金太郎飴感はある。でもデビュー作として期待されてた、用意されてた合格点は余裕でクリアしてると思う。

あ:シンセのアルペジオから入るノリのいい曲から始まって、アコースティックなバラードで終わる構成が綺麗でまとまってるますよね。金太郎飴は否定しきれないけど、それもデビュー作の醍醐味かと。

ジ:うん。始まりと終わりがきちっとしてるのは評価できるよね。じゃあ改めて、お互い既に何周かしてるだろうけど、聞きながら会話というか感想というか言い合っていこうか。

 

 

#1「Eighteen」


Pale Waves - Eighteen

 

あ:先行配信の段階でこのシンセのイントロを聞いた時からかなり好きな曲。

ジ:がっつり四つ打ちダンスロックで、新曲ながらも既に彼らの十八番って感じがしてるよね。始まりのシンセはクラフトワークとかそっちのテクノみたいでいいよね。

あ:ザ・フーの「ババ・オライリィ」も彷彿とさせますね。

ジ:歌詞もいいよね。冒頭から「この街は私を落ち込ませるけど、あなたは私が望むすべてでいようとしてくれてる」なんて。

あ:ヘザー曰く、どうやら #6「When Did I Lose It All」の歌詞の人物と同一人物だそうですよ。(※1)

ジ:なにそれドラマチックすぎでしょ。

(※1 以下ソース)

 

 

#2「There's A Honey


Pale Waves - There's A Honey

 

ジ:これが2曲目ってのがたまらないわけで。

あ:この位置にあるのがいいですね。

ジ:#2と#3はEPとかシングルとかで事前に出てて、ここで出てきて「そうそうこれこれ!」って思ってアガるよね

あ:わかりますね(笑)。今のライブだとこれは最後にやってる曲みたいです。「Television Romance」のほうが最後に向いてるような気がしますけど。

ジ:歌詞は最後っぽいね「俺の体をあげるよ。でも本当に君は俺がほしいのかな」なんて。・・・もしかしてさ。これってコンセプトアルバムなのかな。

あ:というと?

ジ:最初すごく女の子的な曲で、これは男の子の曲で、それで、最初の曲とつながってる曲があって。二人の男女のことがこのアルバムになってたりするのかな。

あ:歌詞についてはあまり追えてないのでそこにも注目していきましょうか。あと、確証がある話じゃないですが、Apple Music の歌詞欄にはマシューヒーリー(彼らの先輩、the 1975 のフロントマン)が含まれていますので、プロデューサーである彼の視点やアイデアもあるかもですね。

ジ:俺も歌詞はしっかりチェックしてなかったからね。一緒に確認していこう。

 

 

#3「Noises」

ジ:アルバムの顔ですね。

あ:歌いだしからアルバムタイトルですしね。さっきこの曲のPVを見ましたが、金髪のヘザーが可愛かったです。


Pale Waves - Noises

 

ジ:サマソニで観たときもゆらゆら揺れて、十字架にかけられたみたいなポーズもとって、まさに「クールでキュートなロックバンド」を体現したような感じだった。

あ:ヘザーのパフォーマンスいいですよね。フェミニンな可愛さとゴスっぽい動きがバンドサウンドの力強さを強調してるような。

ジ:曲の話に戻ると、#1~#3で彼らの王道というか持ち味を存分に出してくれて、これまでの彼らのおさらいもできる感じになってるんじゃないかな。

あ:最初の3曲は強い印象を与えてきますよね。シンセとユニゾンしたギターソロも粘っこくて好きです。

ジ:これは秀逸よね。ここのソロはちょっとテイストが違う。

あ:ここまでギターに割いた曲もあまりなかったんじゃないでしょうか。まあタイトルも「Noises」ですし。

ジ:こういうユニゾンの良さが先輩the1975とのうまい差別化になってる

あ:音像は似てますが、彼らはよりロック志向が強そうですね。

 

 

#4「Come In Close」

ジ:で、そんなロックを感じてたところにこれ。正直初聴きの時はびっくりしたね。

あ:ポップですよね。普通にヒットチャートに乗ってそうな。

ジ:ダンスに振り切ったこともやっちぁうんだねぇ、と思ったよ。

あ:まだあまりこれは消化できてない曲ですね。

ジ:確かにこれまでの彼らの中では異色な曲だね。でも俺は結構好き。ここでまた同じような曲がきたら「もう飽きた」って思ってたかも。

あ:変化をつける引き出しと考えると感心できますね。

ジ:歌詞は・・・・・・・・・・・・・・。すまん。切なすぎて言葉を失った。

(※2)

あ:これは男の子と女の子のどっちの曲なんでしょう。フレーズとテーマが「There's a Honey」と被る部分もありますよね。

ジ:どっちでもいけるかな。

 

(※2 以下、この曲の歌詞の一部。アルバム全体の歌詞の詳細はここへ。

https://www.azlyrics.com/p/palewaves.html )

「だれも私とあなたがどんな風にテレビを見て、そして時々キスをしてるのかなんて知らない。あなたが部屋にいるときに私は何も、何も見てない。あなた以外に。」

「ねぇ、キスしたいって近づいたらあなたはノーって言う?あなたが本当に欲しいのは私?あなたとただの友達でいたくない。でもこれは終るんだってことは知ってる。」

 

 

#5「Loveless Girl」

ジ:これ前の曲とちょっとつながってるよね。

あ:セットと考えられますね。この流れは好きです。

ジ:歌詞的にはさ、俺の妄想だけど、この曲は昔の二人の会話とかを振り返る曲。サビ前が男の子の言葉で、サビ前が女の子の言葉。歌詞にある「Did you make your televison breakthrough?」ってところが当時二人が見てた壊れたテレビのことで、そこから流れてた壊れたループが、この曲でずっと聞こえてる「Loveless」ってループで生きてるんじゃないか、なんて。

 

 

#6「Drive」

ジ:冒頭のギターでノックアウト

あ:いいリフですよね。実に80年代的。

ジ:ギターソロがシューゲイザー的というかドリームポップというか、今までになかった鋭さと浮遊感を持ってるよね。すごく好きな曲の一つ。

あ:ヘザーが自身のツイッターで発売日に「どの曲がすき?」って聞いてた時もこれは多くの人が挙げてました。

ジ:#1~3、#4~5ときてこの曲はズルいよ。

あ:前半のハイライトですね。

 

 

#7「When Did I Lose It All」

ジ:でました。俺にとって今作のベストトラック。

あ:ここで流れが変わってるような気がしますね。これまでの曲はアガる曲が多かったので、アルバムにはスロウな曲もあるだろうと期待してました。

ジ:冒頭から歌詞が切なすぎて初聴きから惚れてしまった。歌詞をみながら記事を書こうとおもったのはこれがきっかけ。全部の歌詞が泣ける。歌詞的には前の曲の「Drive」が男の子で、この曲が女の子の曲かな。(※3)それぞれが付き合ってたころを思い出す曲。

あ:「Eighteen」とも関わってるみたいですし、そうでしょうね。

(※3 以下、「Drive」と「When Did I Lose It All」の歌詞の一部)

「Drive」

「まだ同じ『もしも』を感じてるんだ。これは君についてじゃない。僕についてだ。」

「大丈夫じゃないよ。でもそれはいいんだ。」

「早くドライブする。“何か”を感じられるんだ。」

「When Did I Lose It All」

「そのすべてを失ったのはいつだろう。瞳の端には貴方がいた」

「交わって堕ちていったのはいつだろう。それはいつだって貴方だった。」

「二人で愛し合って年老いていくと思ってた。お互いを最高にした。私たちならなんだってできるんだって、あなたは信じさせてくれた。」

「これから、これから、あなたを放してあげるわ。貴方と結ばれたいの。でも今じゃないの。今じゃないの。」

 

 

#8「She」

あ:流れが変わったってさっき言いましたけど、それは単純に踊れる曲からさっきの曲とかこれとかみたいなドリーミーなことをしてるからですね。

ジ:デビュー作とは思えない引き出しがあることを示してくれたよね。

あ:単純なポップソングを逸脱して、構成美へのこだわりといえばこの曲が一番細かいですね。これはかなりthe 1975先輩に近い印象を持ちました。

ジ:歌詞がめちゃくちゃエロいけどね。「彼女は貴方を私と同じくらい気持ちよくしてくれてる?」ってあって、代わりの誰かでイってるんでしょ。嘘はいいわ。私は言えるから」って(※3)「代わりの~」の部分は途中で男のコーラスがあって、遠くで二人が同じことを思ってるってことを表してるんだと思う。

あ:エロいですね・・・

(※3 歌詞の「getting off」には口語で「異性と性的に親しくする」、「オルガスムスに達する」という意味もあるんだそうです)

 

 

#9「One More Time」


Pale Waves - One More Time

 

あ:いきなりさわやかサウンドに戻りますね

ジ:歌詞的には「また17の頃の私たちに戻れないのかな」ってあるから、過去を振り返ってるところは続いてるけどね。

あ:タイトルから未練の感じありますね。

ジ:感傷的なメロが続いてからこれだから、湿っぽくなりすぎないようにってことかな。

あ:マシューヒーリーから「後ろ向きな歌詞を書いてもスタジアムで演奏することを想定した曲を書くこと」ってアドバイスされてたらしくて、その手法が生きてるんじゃないでしょうか。

ジ:腕を突き上げて飛び跳ねたくなるね。

あ:ところで、CDのブックレットには前の曲とこの曲の間にアーシャがあって、これがカッコいいんですよ。

ジ:(確認)ちょっと怖いかんじもするけど(笑)

あ:ところで、このバンドはドラムのシアラがかなり中核を担ってるんですよね。プロデュースにか関わって、シンセサイザー・プログラミングもやったってことが書いてあるんです。

ジ:多彩だなあ。

 

 

#10「Television Romance」


Pale Waves - Television Romance

 

ジ:おまちかね

あ:今ライブではオープニングソングになってますけど、これからミューズの「シドニアの騎士」とかアメフトの「ネバーミーント」みたいなアンコールソングになるんじゃないかと思ってます。大名曲ですね。

ジ:俺もこれが〆曲だと思ってたけど、もっと自信ある曲を後ろに持っていきたいのかな。

あ:歌詞的にはなんか浮いちゃってますが、どうなんでしょう。

ジ:うん。これも俺の妄想なんだけど、さっきの曲「Loveless Girl」でテレビの話がでたでしょ。その時に二人が見てたロマンスものをこれが表してたらいいなぁ、なんて思うんだ。考えすぎかな(笑)

 

 

#11「Red」

ジ:これもリードギターが光ってるね

あ:ですね。ロックとシンセポップがうまく融合してます。Aメロがちょっとニューオーダーみたいですね。

ジ:たしかにそうかも(笑)。この曲がアルバム中で一番シンセをうまく使えてるような気がするよ。

あ:飾りみたいな空間的な音でも、メインの音でもなく、絶妙ですよね。

ジ:歌詞はあれだな。二人が付き合ってた頃に女の子が二人の初夜を思い出す曲だと思う。ホテルってワードも出てくるし。で、タイトルの「Red」っていうのは(自主規制)。もっと言えば、歌詞に「Slow down baby, are we gonna make it alive」ってあるしね。

あ:エロいですね・・・。

ジ:前の曲が、このアルバムを聞く人にとって、「二人が付き合ってたまさにその時期を見せてあげる」ってスイッチになってると思う。だから付き合ってるときのキラキラした感じが続いてるんだよ。

あ:あと、これもヘザー曰く、どうやらこの曲の人物とさっきの曲「Come In Close」の人も同一人物だそうですよ。(※4)

ジ:やっぱつながってるんだね。

(※4 以下、ソース。)

 

 

#12「Kiss」


Pale Waves - Kiss

 

ジ:これも結構前からある曲だよね。なんかこのアルバムではRedとつながってるような。

あ:テンポ感も似てますよね。次の曲も含めて、#11~#13のドライブ感はアルバム後半だな~って思えます。

ジ:わかるよ。この彼らの王道サウンドを立て続けに放っていく感じがいいよね。

あ:歌詞には倦怠感がありますね。

ジ:そっちか。俺はてっきり「付き合ってて人生バラ色!」って曲だと思ってた。(歌詞を確認)。・・・たしかに君の言う通り、バラ色ソングではないな。

あ:「はじめのころにしてたみたいにキスして」ってありますし。昔のほうが盛り上がってたのに、って曲ですね。女の子のほうが思ってるんですよ。

ジ:次の曲でも触れるけど、別れがほんのり近いんだろうね。

 

 

#13「Black」


Pale Waves - Black

 

あ:僕はこれがベストトラックですね。

ジ:人気あるみたいやね。

あ:やっぱり。なんかエモい。

ジ:歌詞とか気にせず聞いてた初聴きのときは、いい〆曲だと思った。

あ:歌いだしから「貴方はあたしを嫌いだした・・・」ですからね。

ジ:まさに別れの切なさ

あ:「Red」と対になってるんじゃないですかね。だから曲のタイトルが「Black」

ジ:そうか!なるほど!

あ:そしてジャケのアートワークが黒と赤の二色ってところが。

ジ:たしかにそうだよなぁ。言われてみればすごいよくできてるな。

あ:ここは凝ってますよね。他の曲はシンプルに歌詞の世界を表してると思います。

ジ:歌詞の話はこれくらいにして、音の話をしよう。この曲、このアルバムのなかではすごくバンドサウンドを前に出してない?

あ:そこがベストトラックに選んだ要因です。ちょっとパラモアみたいな。サビのところなんてホントにうっすらシンセがあるだけですし。

ジ:パラモアみたいってのはちょっとわかるわ。ずっとシンセをバックに歌ってた「You don't love as anymore~」のところが最後はがっつりバンドサウンドでやるのは展開として素晴らしい。

 

 

#14「Karl」

あ:ラストにして唯一のアコースティックソングですね。

ジ:ピンカートンとかオアシス1stかよって思っちゃうよね。

あ:(笑)

ジ:シンセで始まってこれで終わるってのは君の言う通り、きれいに出来すぎだよね。

あ:ちょっとギターをコピーしてみたんですけど、スリーコードで弾けちゃうんですよねこれ。この曲が世界で初披露された渋谷のインストアライブもそうですけど、ヘザーはいくつかの曲を弾き語りでもやってるんですよね。音響的な編集に特徴がある彼らですけど、歌モノとして骨組みがしっかりできてることが分かる一曲でもあると思います。

ジ:は?渋谷でこれやってたの!?都民ぜったい許さん。

あ:僕も翌日の用事のせいでなくなく行けませんでした・・・。

ジ:(都民を許さない気持ちが落ち着いてから)・・・落ち着いて、と。歌詞の解釈をしよう。多分だけど、この曲の主人公の女の子は、歌詞にある通りミュージシャンで、その彼女が作ってた作品が、今までの男女二人についてのことだったんじゃないかな。

あ:ロンドンでのショー、ってありますし、もしかしたらこの曲の主人公はヘザー自身なのかも。

ジ:大いにあるだろうね。で、主人公の女の子が好きだったカールって男の子のことを二人の男女の作品を作りながら思い出すのよ。男の子のほうはカールを重ねてるのかもね。今までの男の子も、カールもタバコを吸うみたいだし。そんな感じかな。この曲がある意味ボーナストラック的な役割をしてる。

 

 

 

ジ:さて、こうして改めて聞きながら振り返ってきたけど、あつみ君、どうでしたか。

あ:Pale Wavesって、僕にとっては初めてデビューを目撃したバンドなんですよ。サマソニでの初来日を見に行って、このアルバムも発売日に買って。

ジ:うんうん。

あ:今まで聞いてたものが基本後追いでした。これからこのバンドがどう変わっていくのか、あるいは何を貫いていくのかっていうことをリアルタイムで体感していく。その第一歩をこうして語れるのがとてもうれしい。それがこのアルバムに対しての最大の感想です。デビュー前から露出が多かったですし、多少いい意味で裏切られた楽曲が既にあったので。

ジ:非常に可能性に満ちていることが改めてこの作品で分かったよね。

あ:ジュンさんはどうですか。

ジ:やっぱり歌詞が素晴らしいってことかな。今回この記事を作るにあたって、初めて歌詞を解釈しながらじっくり時間をかけて味わうってことをやったけど、それが苦にならない、むしろそうさせてほしいと思わせてくれたことが大きい。アルバム構成も素晴らしい。彼らの十八番なメロディを出すタイミングも優れてる。金太郎飴っていう初聴きの感想は取り消さなくてはいけないと思ったね。

 

 

 

ジ:じゃあ最後に、二人でこのアルバムの採点を。

 

あつみ 85/100

ジュン 4.0/5.0

 

ジ:ヘザーが日本のiTunesでの今作の人気を知ってるみたいだし(自身のツイッターより)、進化して早く帰ってきてほしいね。今作で、いろんな方向に進化できることをわからせてくれたしね。

あ:2ndで真価が試されると言いますしね。とにかく近いうちの再来日に期待しましょう。

 

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(文:ジュン   thanks:あつみ君)

 

 

The Shacksはアブナイ

 

\アツイ!/ toraです。

皆さん、新しい音楽はどこで入手しますか?

ストリーミングのおすすめ欄フェスSNSなどなど…

実際、僕が一番好きなRadioheadSNSきっかけで知りました。

 

では、メディアはどうでしょう?これも結構重要ですね。

思えば、メディアきっかけでハマったバンドとかって僕はとても多かったような気がします。

T.Rex20世紀少年きっかけ)とか

Deep PurpleSOFTBANKのCMきっかけ)とか

Nirvanaドラマ・カラマーゾフの兄弟きっかけ)とか…

youtu.be

youtu.be

matome.naver.jp

ちなみにドラマのカラマーゾフの兄弟Nirvanaのみならず、RadioheadやらLed ZeppelinやらThe Strokesやら起用されててすごいです…

 

まあそんな感じで出会ったバンドで久しぶりにビビっときたバンドがあります。

 

このCM見たことありますか?

https://youtu.be/Ba2ebDtkuEM

なんだこの坊主美人は!!!なんだこのレトロソングは!!!新しいiPhoneのカメラすげえな!!!

 

この60年代臭プンプンなバンドはなんだ!と思って調べたら出てきたのがこの人たち。

 

http://thefader-res.cloudinary.com/private_images/w_760,c_limit,f_auto,q_auto:best/_images_uploads_gallery_Shacks_Sesse_Lind4_bmx9od/the-shacks-follow-me-video-premiere.jpg

ニューヨーク出身のバンド

The Shacks

です。まさかの2014年結成…

 

youtu.be

よく分かるメンバー紹介動画があるので貼っときますw

メインメンバーはボーカルのシャノンギターのマックスの2人。ドラムのベンキーボードのイヴァンは一応サブメンバー。さっきのcmの坊主美人はこのシャノンです。

マックスのスタジオにシャノンを呼んでセッションしたのが結成のきっかけだったそうな。

 

このバンドのサウンド60年代を思わせるレトロなサイケロック

 


The Shacks - This Strange Effect

 

This Strange Effect

This Strange Effect

  • The Shacks
  • ヴォーカル
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

 

先ほどのcmで使われた一曲。元はThe Kinksの曲。(The Kinksバージョンもカバーだったか…忘れましたw)

 


Kinks - This Strange Effect

 

This Strange Effect (Live at Aeolian Hall, 1965)

This Strange Effect (Live at Aeolian Hall, 1965)

  • provided courtesy of iTunes

 

PVの映像も相まって、めっちゃヤバい感じに…

ラストのギターソロが逆再生ってのもサイケで60年代…あの頃皆、テープ逆に回すの大好きだったからね…

 


Left It With The Moon - The Shacks

 

Left It With Moon

Left It With Moon

  • The Shacks
  • ヴォーカル
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

 

この曲の動画(確かこれとは別のライブ映像)に"best afternoon poolside music"みたいなコメントが残されていて、めっちゃ的を得ているなあと…

いい感じにやる気が出なくなる、ちょっとチープなゆるゆるサウンドも彼らの持ち味ですね。

 


The Shacks - Hands In Your Pockets

 

Hands In Your Pockets

Hands In Your Pockets

  • The Shacks
  • ヴォーカル
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

 

この曲なんかはファンク・ソウル色が強くてまた面白いです。

 

こちらの3曲はすべて、セルフタイトルのEPに収録です。

 

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61xIjTTKA6L._SY355_.jpg

The Shacks EP

The Shacks EP

  • The Shacks
  • ヴォーカル
  • ¥1050

 

 

そして今年、待望の1stアルバム、"Haze"をリリース!!

https://simonsaxon.com/blogimg/the-shacks-follow-me-haze.jpg

Haze

Haze

  • The Shacks
  • ヴォーカル
  • ¥1500

 

国内版ボートラで”This Strange Effect”が収録されてるけど、EP買った方が早いよ…

 


The Shacks - Follow Me

 

Follow Me

Follow Me

  • The Shacks
  • ヴォーカル
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

リードトラック。ドライなギターがレトロで少しファンキー、いい感じ。シャノンが可愛い。(僕と同い年と聞き衝撃を受けてます…)

 


The Shacks - All Day Long

 


The Shacks - Blue & Grey

 

All Day Long

All Day Long

  • The Shacks
  • ヴォーカル
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

Blue & Grey

Blue & Grey

  • The Shacks
  • ヴォーカル
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

60年代といえば!フォークです。アシッドフォークとか。The Byrdsなんかも活躍してましたね。

このアルバム、フォーキーな曲も多めです。

 


The Shacks - My Name Is

 

My Name Is

My Name Is

  • The Shacks
  • ヴォーカル
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

彼らの楽曲はフレンチポップス的な趣もあるとの意見を聞きました。フレンチポップスもやはり60年代のイメージ。意外とサイケとフレンチポップスは紙一重だったりするんですかね…

どうでもいいですが、フレンチポップスだとFrance Gallが好きです。この曲のリフがかっこいい。


France Gall - Laisse tomber les filles 1964 HD (Tele Melody)

 

Laisse tomber les filles

Laisse tomber les filles

  • provided courtesy of iTunes

 

 


The Shacks - Birds

 

Birds

Birds

  • The Shacks
  • ヴォーカル
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

そして、極めつけはこれ。ヘンテコリフからのカントリーなアコギ、でもメインパートはフォーキー…The Shacksの変態性が垣間見える恐ろしい曲…

 

”レトロなサイケロックバンド”とこのThe Shacksをはじめにご紹介しましたが、こう改めてみると、ロックフォークファンクカントリーフレンチポップス…マックスはブルースマンのレッドベリーも好きだといいます…結構何でもありな気もしてきた…

 

それでも、彼らのサウンドサイケだと思わせるのは、そのサイケロックが謳歌していたころを思わせるとことんレトロな音づくり、そして何より、ボーカルのシャノンの甘いウィスパーボイスと思うのです。

”This Strange Effect”を聴き比べると、やはりThe Shacksの方が妖艶で、キケンな雰囲気がプンプンします。このバンドの根幹をなしているのはまさに紅一点シャノンといっても過言ではないのです!まさに「聴くドラッグ」

 

ライブもすごい!!!

 


The Shacks on Audiotree Live (Full Session)

 

The Shacks on Audiotree Live

The Shacks on Audiotree Live

  • The Shacks
  • ロック
  • ¥1050

 

Haze未収録の新曲もバッチリ。

めっちゃかっこいい!!!Hands In Your Pocketsなんかさらにファンク色が強まっているし、ラストのBirdsのセッションなんかロックの魅力がぎっしり詰まってる…

これは来日していただかなくては…

 

聴き終わった後、今が2018年であることをきっと忘れてしまいます。まさにトリップできる危険なレトロサイケバンド、The Shacks。アブナイです。

 

 

(文:tora)