2020年上半期のアルバム4選(From 名古屋)
2020年上半期が終わりますが、皆さんいかがお過ごしですか。
いいアルバムたくさんあるけど、ぶっちゃけ、今年は例のアレの影響で「もっともっと良作がリリースされるはずだったんだろう」って印象が強い。実際、リリースが遅れてしまったアルバムをいくつも見た。
とまあ、ちょっと残念な上半期になってしまった。けれども出されたアルバムの質は申し分ないかなと。
そんな中で、じゃあ僕の住んでる愛知県からはどんなアルバムが上半期に出たか、というところを振り返る内容を寄稿します。今回は4枚を選びました。
1. Fish 「College was confused」
今年の名古屋の始まりはこれって感じだったと思う。出るか出るかと言われ続けたFishの新作。6曲入りでわずか7分のEP。爽やかに駆け抜ける。The Promise Ringみたいに青々としたパンクロック。
リリースされてすぐに大須のFile UnderやAndyで飛ぶように売れまくった。まだライブを観る機会には恵まれてないけど。
電光石火で歪んだギターが耳を通り過ぎていく快感が楽しめる。かなりおすすめ。
バンドキャンプでも聞くことができるので、お手軽にいくならここから。
2. The Rainy 「あなたの海」
名古屋産のバンドで個人的に一番好きなポストロック・シューゲイザーのバンド、The Rainyの、現在の3人体制になってからの最初のアルバム。
前回の作品「Film」も素晴らしかったけど、今作はそれを大きく上回る。流れるようなサウンドスケープが大進化していて、するっと聞けてしまう。全体的な音像も前回より柔らかい。前作はブレイクからの轟音、今作は王道をいくような徐々に徐々に轟音に吸い込まれていく、そういう音が楽しめる。
今年から東京にライブ活動の拠点を移す、というところでコロナの煽りを受けてしまっていて、心配である。早く東京で売れてほしい。ポテンシャルは十分すぎる。これを聞けばわかる。
どうやら今のところ、今作はサブスクリプションでしか聞けないみたいなので、早くフィジカルが欲しいところ。
3. EASTOKLAB 「Fake Planets」
おなじみのドリームポップバンド。個人的に、もう彼らのライブは結構見てるし、この新譜に入ってる曲はほとんど聞いたことがあったものが大概なので、「やっとでたか」というのが一番の感想。
自信に満ち溢れてる感じがすごく出てるアルバムで、CDもケースの色が違うパターンを何種類も作ってリリースしてる。色の違いを楽しんだり、好きな色を探すのも楽しいと思う。絶対に売れるだろうという確信持ってるんじゃないかということを感じた。
実際、内容は申し分ない。ハイライトは、ラストを飾る「Dive」。今のところ、このバンドの最高傑作といえる曲かも。アルバム全体でみると、前作よりギターサウンドが目立ってて、そこも好きなポイント。The 1975の2ndアルバムみたいな、アンビエントチックだけどロックで浮遊できるような音楽が好きな人にとって、とてもいいと思う。
4. I Like Birds 「あめいろ」
Apple Light、mishca、me in grasshopper、softsurf、sitaqといった名古屋のバンドのメンバーによって構成されたバンド、I Like Birds の1st。構成される面々の時点で強い。
サウンドも、それぞれのバンドが持ってる要素を合わせたような感じ。すごく上質なポップスになってると思う。めちゃくちゃ甘い。
コーラスワークや単音のつなぎ方も綺麗で、つぶやくようなボーカルも良い。
CD、カセットテープ、サブスクリプションと、楽しめるタイプも充実してる。個人的上半期名古屋バンドのハイライト。
そんなわけで、手短に4つの作品を選んでみた。全体的にチョイスがインディロック・オルタナに傾いてしまったけれど、どれもハズレ無しなので、ぜひ聞いてほしい。
(文:ジュン)