Starcrawlerは新たなるThe Stoogesなのか?
はい、toraです。
遡ること50年とちょい前…Iggy Pop率いるThe Stoogesが1967年に結成されました。
ガレージロック、パンクロックを語る上では欠かせない彼らも結成からもう50年…というか愛聴している60年代のバンドの多くがもう半世紀も前の人たちなんだと思うとゾッとします…でも、Iggy Popもまだ現役。なんか見た目はひょろそうになってるけど、でもすげえなあ。
ちなみに僕が好きなThe StoogesのアルバムはFun Houseです。T.V. Eyeが好き。
今回はThe StoogesやIggy Popのことではなく、このバンドのことについて書き書きします。
LA出身のガレージパンクバンド、Starcrawlerです。
んん~いいですねぇ。いい感じにパンク。頭悪そう。
Starcrawlerが結成されたのは2015年。まだまだ最近のこと。
デビューシングルの"Ants"がユニクロのTVCMに起用されたのがブレイクのきっかけでした。
こちらがそのCM。日本では放送されていないみたいです。まさかのブラかい…
こちらは”Ants"のPV。
さらにElton JohnやMy Chemical RomanceのGerard Wayらが彼らのファンだと公言したことや、The Lemon Twigsの前座として出演したステージのパフォーマンスのYouTube動画が話題となったこともあり、一気に注目が集まります。
昨年サマソニで来日したFoo FightersのDave Grohlは、自身が主催のロックフェスティバル「Cal Jam 2017」(これが恐ろしいラインナップ…)で真っ先にこのStarcrawlerにオファーをかけたそうな!
デイヴ・グロール他が絶賛!スタークローラー(Starcrawler)、鮮烈デビュー - TOWER RECORDS ONLINE
そして、Ryan Adamsをプロデューサーに迎え、今年の一月に1stアルバムをリリース!三月には来日公演も!ありがたいことに、地元名古屋にも来てくださる…名古屋のいいところはこうたまーに海外バンドが来てくれるところですね…僕も行きまーす。
(1stのジャケット)
そんなStarcrawler、冒頭に書かせていただいたThe Stoogesっぽいなと感じたわけです。
なにが?まずはやっぱり曲。
とにかく駆け抜けるようなガレージパンク!
彼ら自身、AC/DCやOzzy OsborneといったHR/HMやThe Ramonesといったパンクバンドから影響を受けているといいます。
”I Love LA”はNirvanaがちょっと悪ふざけしてみたって感じがします。(Kurt CobainもThe Stoogesとか好きだしね。)
”Chicken Woman”や”What I Want”はHR/HM風のスローな曲。AC/DCとかにありそう。
この”Tears”なんかはちょっとNeil Young感もちょっとあるような気がする。
そう!まさにHR/HM、ガレージパンクといったロックをルーツとしたまさにロック小僧の皆々様が大好物であろうサウンドをかき鳴らしているわけであります。
アルバムそのものも全10曲。30分もありません。一気に駆け抜けてしまいます。いさぎよいですね…
そして、彼らがなんかThe Stoogesっぽい?と思ったもう一つの要因がボーカルのArrow de Wildeです。
声はもちろん、先ほどのPVやアルバムのジャケットをみれば「ああ、女性なんだ。」と思うんですが…
「いや男か?」と何回か思ってしまった…今時男子、なんかその辺のボーダーライン怪しい風貌の多いからなぁ…
ええ、改めまして、Arrow de Wildeさん、女性です。
なんじゃこりゃ!!!!!!!!エキセントリックすぎる!!!!!!!!エキセントリック少年ボーイならぬエキセントリック少女ガールだよ!!!!!!!!
ロック界、バンドメンバーに女性がいるなんてのはまあ珍しい話ではありませんが、ここまでのはあんま見ない…
ライブなんかヤバいぞ!!!!!!!!
女性らしさ皆無。
これは女性だと思うのに苦労しますわ…まさに全身全霊のパフォーマンス精神…ロックだ…
そう、このArrowのステージでのパフォーマンスがまさにThe StoogesのIggy Popのように見えるのです。まさに荒れ狂う獣のよう…ステージの彼女を見ると「こんなロックまだあるんだ」「ロック死んでねえな」って思えます。
今時男ですらこんなのしないよ…というか、こんなロックバンドが減ったんだなぁということですかね。どの口が言うの()
最近、エレクトロが音楽のメインになりつつあり、ロックバンドもそういったテイストの音楽を取り入れて活躍しているように感じます。
ですが2018年、Starcrawlerというエキセントリックなガレージパンクバンドがロックンロールを奏でている。ロックはまだ息をし続けられると思います。たぶん。
(似てる…?)
(文:tora)
Paramore VS Marmozets @ summer sonic 2018
先日の3/1(木)にサマーソニック2018の日割りと追加アーティスト発表があったが、Paramoreの出演決定は一つの話題となったのではないだろうか。実に9年ぶりの出演である。
一方で3/1(木)の発表より前から出演が決まっていたバンド、Marmozetsは3年ぶりの出演となる。
さて、なぜ今回この二つのバンドを取り上げたかといえば、Paramore出演決定を受けて私が急いで聞いた昨年のアルバム「After Laghter」に対して
とてもがっかりしたからである。
ろくにアルバム収録曲の試聴もせずに勢いで買ってしまったのだから完全に自分のミスだ。確かに最近のポップスの流行りを汲み取った聞きやすいポップアルバムである。だが、私が求めているのはロックバンドとしての彼らの音楽なのだ。
こうじゃなくて(昨年のアルバムはこういう曲ばかりが収録された作品だった)
こう!
ポップとしてもこれくらいで押さえていてほしい
懐古厨とか老害と言われたって構わない。ひたすらエモかった彼らがまだ見たい。
Paramoreの話ばかりになってしまっているが、Marmozetsはどうだろうか。私がなぜMarmozetsを引き合いに出したか。読者も恐らく感づいているだろうが、エモいサウンドに聞きやすい女性ボーカルを乗せるというスタイルである二つのバンドが似て見えるからだ。MarmozetsはParamoreに比べるとかなりポストハードコア的というか、もっとバーストする音楽を基調としている。
以下の2曲は今年の1月にリリースされたアルバム「Knowing What You Know Now」に収録されている。かなり最近の曲だ。
これを聞くと、「Paramoreやべぇ。食われるぞ」と思う。日割りでは2つのバンドは別々の日に出演することになっているため競合することはない。だが、若くてエネルギーのあるMarmozetsに今のポップになってしまったParamoreが対抗できるだろうか。
勢いのMarmozetsに対し、ベテランの域に入ってきたParamoreは意地を見せられるか。2つのバンドのどちらが素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるのか、それが私がサマーソニック2018で楽しみにしていることの1つだ。
(文:ジュン)
おすしたべいこのMBV散歩 vol.2
どうも!おすしたべいこです。無事に第2回を迎えられて嬉しく思います。
早速今回のトピックなのですが、私は先週の日曜日(2月18日)に本サイトのメンバーでもあるさこれたと白糖・ツインズと一緒にとあるトークイベントに参加して来ました。それがこちら…!
(写真はディスクユニオン新宿オルタナ館さんのこちらのツイートからお借りしました。→ https://twitter.com/ds1_indie_alt/status/965165153988653057 )
良い写真だ…。そうです。ご存じの方も多いかと思いますが、THE NOVEMBERSの小林祐介さんと、ライターやカメラマンとして活躍されシューゲイザーにも造詣が深い黒田隆憲さんです。このシューゲイザー好きの御二方によるシューゲイザー好きのためのトークイベントでした!
場所はディスクユニオン新宿オルタナ館内だったのですが、おそらくあの狭い店内に30〜40人は集まっていたかと思います。ここにいる全員がシューゲイザー好きだと思うとかなり"異常"な空間でした。笑
そして内容も興味深いものばかりでした。非常に濃い時間を過ごした中で、特に印象的だった部分をピックアップしてご紹介させていただきます。では早速!
↓ ↓ ↓
▷▷RideとTHE NOVEMBERS
この日はRideの来日公演前夜であり、そのオープニングアクトをTHE NOVEMBERSが務めるというタイミングでのトークショーでした。小林さんは「My Bloody Valentine、Ride、Slowdiveの中ではRideが自分たちに一番近い部分があると思っていて、そういった意味では共演できて嬉しい」といった旨のことを仰っていました。特にツインボーカルである部分にも近さを感じており、THE NOVEMBERSでもいずれはやりたいそうで、これは期待しちゃいますね!
また、共演するにあたりどのようなセットリストにするか迷われたそうですが、最終的には「いつも通り」に落ち着いたそうです。後日私も東京・大阪公演ともに確認しましたがこのような感じで。
( https://twitter.com/the_novembers/status/965534853012733952 )
たった5曲ですがかなり強力ですね。本編のRideより轟音の程度で言うならTHE NOVEMBERSの方が上だった、なんて声も。
▷▷Rhapsody in beautyについて
THE NOVEMBERSのRhapsody in beautyは2013年9月30日に行われたマイブラの東京国際フォーラム公演に影響を受けて制作されたと言います。この公演は特にサウンド面でケヴィンの要望を形にしたもので、確かに改めて聴いてみるとそれ以前のTHE NOVEMBERSの作品と比べると音響的な深さや重みが違うなと素人ながら思ったり。
作品の背景を垣間見ることで聴こえ方が変わってくるのは音楽の面白い部分だと思いますね。
▷▷Isn't Anythingは水木しげる
小林さんはマイブラのIsn't Anythingのことを「水木しげる感」と表現していました。
確かにサイケデリックかつオルタナ感で突っ走る感じはある意味Lovelessより衝撃度で言えば強い点も多く、「感情が迷子になる」という小林さんの指摘にも頷けます。
▷▷黒田さん所有のリマスター音源試聴
黒田さんの私物であるケヴィンのサイン入りのアナログリマスター盤(現在マイブラの公式サイトでのみ販売されている代物)を流す場面があったのですが、全員がその素晴らしい轟音に酔いしれました。
ただ正直な所、私はそこまでしっかりした違いを感じられず非常に悔しい思いをしました。バシイッ!!! 耳が安いな!!!!!!!!!(カミナリのツッコミ風)
許してください。もっとじっくり聴けばはっきり違いを感じられると信じ、私もそのうちアナログリマスター盤を手にしようと思います…。私も中音域の違いを感じたいです。耳かき専門店でも行って準備しておくか。は?
※ちなみにこちらのアナログリマスター盤、ディスクユニオン新宿オルタナ館さんにて極小ながら入荷したようです。気になる方はお早めに。
▷▷シューゲイザーとシチュエーション
THE NOVEMBERSの数あるレパートリーの中でも名曲として名高い「今日も生きたね」。小林さん曰く、この曲はご自身の娘さんに向けた遺言というシチュエーションで制作されたそうで。これまた聴こえ方が変わってきますね。
ここで話は黒田さんが記事の企画で考案したシチュエーション別シューゲイザーのプレイリストへ。
『シューゲイザー・ディスク・ガイド』監修者・黒田隆憲が制作するプレイリスト: シチュエーション別のお勧めシューゲイザー10選
いやあ〜、とても良いラインナップですね…。ここで私が改めて思ったのは、シューゲイザーを聴きたくなる場面とか気持ちって実は色々あるんだなと。シューゲイザーと十把一絡げに言ってもその内訳は細分化されているし、個人によってシューゲイザーの定義自体に若干違いもあるのが事実で。その違いをみんなで共有してみるのも面白いのかなと思ったりしました。
ちなみに私は感情のメーターがマイナスに振れている時にシューゲイザーを求めることが多いです。轟音に身を委ね全てをどうでもよくしたくなるというか…。はい、病気。
▷▷Rideイントネーション問題
これは個人的に一番面白かったトピックなのですが、"Ride"を発音する際のイントネーションが人によって違うという指摘でした。
具体的には「ライド↓」と最後を下げて言う場合と、「ライド↑」と上げ気味に言う場合に分かれるということで。これは少し前から私も感じていた違いなのですが、この日至った一つの結論としては「おっさんはライド↓と下げて発音する」でした。笑
確かに自分を含めて周りの若い人は「ライド↑」と言う人が多く、年齢が高めの方は下げる傾向にあるなと。自分は若いということが証明されました!!! バブバブ!!!!!!
でも冷静に考えて、rideという英単語の正しいイントネーションって「ライド↓」ですよね…? うん、まあ、はい。
▷▷シューゲイザーフォント問題
小林さんの発言ですが、シューゲイザーの作品のジャケットはマイブラのLovelessに代表されるようにぼやけたものが多い中で、そこに書かれたフォントだけがはっきり印字されているのは違和感がある、と言った旨のことを仰っていました。
事実Lovelessも結構しっかり印字されており、会場が笑いに包まれました。またリマスター盤によって少し程度が違っていたり、最近のものはケヴィンの老眼対策で印字がはっきりしているなんて冗談(?)も…。
✱ ✱ ✱
さて、いかがでしたか? 当日の様子が少しでも伝わっていたら幸いです。
この日は黒田さんの著書である『シューゲイザー・ディスクガイド』に載っていたビリンダのインタビューのフルバージョンが来場者に配布されました。超絶貴重ですよね。じっくり読みたいと思います。とりあえず今回はこの辺で。
次回もシューゲイズシューゲイズゥ!
(文:おすしたべいこ)
森の中の川。そこにいる自分。 (disengage)
旧サイトおよび現サイトの始動時に偶然にも同じ人物の旧譜を買っていたのでそれを記事にしようと思う。その人物とはジムオルーク。
この記事で扱う作品を紹介しよう。
「disengage」だ。
(※旧サイトでの自分の最初の記事は「Happy Days」だった。それは美しいアコギの音色とノイズが絡み合う壮大なミニマルミュージックだった。その旧サイトでの記事はこちら https://delivery-sushi-records.amebaownd.com/posts/2730153 )
発表は1992年。ジムオルークの作品の中では割と初期のものになると思う。彼は多彩な音楽を作ることができる音楽家であることは読者も知っていよう。そしてこれはドローンミュージシャンとしての彼の作品群でも評価が高いようなので購入した。
まずはトラックリストを紹介する。
Disc 1
#1 Mere (Part 1)
#2 Mere (Part 2)
#3 Mere (Part 3)
Disc 2
#1 A Young Person's Guide to Drowing (Part 1)
#2 A Young Person's Guide to Drowing (Part 2)
そう。このアルバムは二枚組でそれぞれが一つの組曲になっている。Disc 1 がトータル45分程度、Disc 2 がトータル50分程度になっている。
構成はかなり聞くことに労力が必要そうだが、それは正しくない。理由はそれぞれの組曲をレビューしながら説明する。
まずはDisc 1 の組曲について。タイトルの「Mere」というのは「ほんの」、「単なる」、「一介の」という意味を持つ単語だ。その意味の通りにこの組曲はシンプルで静謐なドローンミュージックになっている。だからといって音の数が極端に少ないということではない。一つ一つの音をゆっくりと伸ばして響かせながら、別の音がひっそりと現れたり、溶け合ったり。Part 1 の冒頭から風の音のような静かな音がいつのまにかドローンが聞こえてくるところから、かなりこの組曲の世界に引き込まれる。組曲全体で大きな動きやすべてを覆いつくすようなノイズは無い。聞き流すBGMとしても目を閉じて音に浸ることもできる。この曲はジャケットにも表れているような森の中にある川をイメージさせる。生き物は全くいない、ただ静かに流れていく川の水面。それをのんびりとただ眺めている。そんな気分になる。だから45分という長さが苦ではないのだ。
次に Disc 2 の組曲。こちらもドローンミュージックであるが、Disc 1 と比べると動きがある。Disc 1 でイメージさせられた川辺にいた自分(つまり聞いている君だ)にフォーカスがあてられたような気になる組曲になっている。Part 1 がとにかく素晴らしい。ドローンに重ねられるのは水と風のサウンドエフェクトと電子音。特に水の音がいい。というのは、ちょうどその音が川辺に少し足をいれて一歩一歩進んでいるような音をしているからだ。「あまりにも川が気持ちよさげなので少し入ってみた」という人の動きを感じる。電子音のループがすこしずつ聞こえてきて大きくなっていきながら終わるという展開は、川に入って何か考え事をしている人の頭の中のようだ。組曲のタイトルからすると、絵について考えているような。これがPart 1である。Part 2 はそれと比べると暗く、無機質なドローンだ。途中に入る音はなにかの金属音だけ。非常に人工的な音楽であると感じる。今までの幻想を現実に引き戻すようだ。今までのイメージにいた人が夜の暗い森の中を帰っていく。そんな映像かもしれない。(金属音がちょうど、パイプとパイプがぶつかるような音なので、川辺に持ってきたテントか椅子かを持って歩く時の音だと考えると、自分は納得できるからだ。)このように幻想を見せてから現実に徐々に戻すというような流れを考えると、この組曲は心地よく聞ける。
ぜひこの作品はなるべく周りに他に音がない状況で聴いてほしい。部屋にいながら静かに森の中にいることができる贅沢を感じてほしいからだ。
では採点。
3.5/5.0
どうしてもDisc2 #1 A Young Person's Guide to Drawing (part1)が良すぎて他がかすんでしまうので、これくらいで。
(文:ジュン)
悠木碧のスキマファンタジー「イシュメル」
toraです。
ちょっとガチではまってしまったアルバムがあるんで紹介させてください。
これです。
イシュメル/悠木碧
魔法少女まどかマギカの主人公(?)、鹿目まどか役などでおなじみ、大人気FGO廃人女性声優の悠木碧さんのアルバムです。これがマジで感動的なほどすごいんだよ!
まず、なぜに悠木碧なんや…
と思った方もいらっしゃるかと思います。僕自身、声優アーティストさんは上坂すみれさんしか聴いてなかったわけです。なぜに上坂すみれなんや…という話は追い追いw
ほんで、なんかほかにも声優アーティスト聴いてみたいなぁと思い、いろいろ探してた中で、悠木碧の本作に出会ったわけです。
この作品、他の声優アーティストの作品と比べても、かなり異質な気がすると思います。
・曲
聴いていて思うのが拍が取りづれぇ…
特にこれ。
なんとなーく聴いてて、途中でんん?となる…
まあ、アルバム全体がこんな変拍子のオンパレードというわけではないんですが、三拍子の曲の方が四拍子より多い…ポップミュージックはその多くが四つ打ちが多いという認識で生きてきたので、まさか声優アーティストの作品でここまで複雑な曲が聴けるとは思ってもなかったです…ここがほかの声優アーティストさんと違う大きなポイントかと思います。
曲そのものですが、アルデコラージュラミラージュやダスティー!ダーティストマックようなクラシカルで愉快な曲だったり…
もちろんロッキングチェアー揺れてのような打ち込みのような曲…
さらにはクピドゥレビューやAngelique Skyみたいなスウィングジャズ感のあるものまであります。
が、シンプルなロックらしい曲は皆無です。ストリングスやホーンセクションの方が目立っています。アルバム全体に漂うファンタジーで独創的な雰囲気がまるで一作のミュージカルを見たかのようなそんな感じに浸らせてくれます。もう、まどマギのイヌカレー空間を音楽でそのまま表現しちゃってるような…
・歌
今作の大きなポイントの1つは歌です。
…まあそりゃそうなんだけど、そうじゃないんだよ。
声優さんが歌を歌う、なんてことはまあ特に驚くことでもないんですけど、基本的にいわゆるキャラソンではあくまでキャラになりきって歌う、ほんで自身の名義ではまあ普通にその人としてガチで歌う、これがまあ普通だとおもうんです。
ですが、今作では悠木碧氏、歌いながら演じ分けてます。とりあえずこの2曲聴いてみそ。
もちろんですが、これ全部悠木碧です。
曲ごとで歌いわける、なんてのはよくある話ですが、もうなんか別人格が出てるような…まるで、いろんなキャラクターになりきって歌ってるみたい…
ほかの声優さんはもう自分のいつもの感じでちゃんと歌っているのでもう「歌手」やなと言った感じなんですが、これに関しては「歌手」と同時に「声優」だという印象が強いです。とても新鮮。悠木碧すげぇなぁ…声優すげぇなぁ…
・歌詞
聴いてて、歌詞カード読んでて思ったのが
ぶっちゃけ歌詞がよくわからん…
ということ。
ですが、wikiによると
本作は全曲通したストーリーになっており、「スキマの世界」をテーマに作られ、9曲目「ダスティー!ダスティーストマック」の詞にある「Baggy」「Stinky」「Frosty」「Wooly」という名前の「スキマ怪獣」が登場している。悠木曰くスキマ怪獣は「いわゆる怪獣とは違っていて。そんなに怖くはない存在。むしろちょっと愉快」。
とのこと…えぇ…
音楽ナタリーのインタビューでは本人が色々語ってます。
僕の頭ではついてけない…
楽曲によって歌い分けがなされているのは、主人公とスキマ怪獣4匹を演じ分けた上で歌っているからなんですね。この「スキマ世界」「スキマ怪獣」が全体のテーマとなっていることが、作品の独創的でファンタジーな世界観、コンセプトアルバム(ですねほぼ)のような統一感そして悠木碧の歌唱に反映されてるわけです。
なので、シングルのクピドゥレビューとビジュメニア、カップリング曲のtwinkAtrickは当初収録するかは悩んだそうです。曲的には気にならないですが、確かに歌詞の点ではズレができてますね。気になる人は気になるかも。
いかがでしたでしょう。悠木碧の描くファンタジーなスキマ世界、是非覗いてみてください!ヤミツキになりますよ…
(文:tora)
ヘヴィメタル への謝罪
(少し遅いですが)新年明けましておめでとうございます。
今年も音楽好きな諸兄の皆様の音楽ライフに役立つ記事を書くことを心掛けて邁進してまいりますので、何卒よろしくお願い致します。
さて、新年一発目の記事タイトルが
「ヘヴィメタル への謝罪」
となってるがこいつぁどうしたことなんだ…
ヘヴィメタルを真に愛する身でありながら、ここ数年私は、メタルファンの閉鎖的で保守的な環境、BABYMETAL等の新しいメタルの潮流による新規ファンがブラックサバスなどの偉大なHR/HMの歴史を学ばずに声のみがデカい態度にうんざりしており、ツイッターなどで度々ヘヴィメタルを貶してきた。
しかし、昨年に色々なヘヴィメタルを聴き直してみると、これがどれもこれもいいのだ!自分の中にあった熱いヘヴィメタルの血潮が躍動し、ピューと血管から吹き出さんばかりに体に鋼鉄のリフが巡回しているのだ!涙を流しながら一人モッシュを部屋で実行する憐れなメタラーがそこには確かにいた…
というわけで、今年最初の記事は散々貶してきたヘヴィメタルへの謝罪から始めさせて頂きたい。マジ、すんませんでした!
というわけで、次からは去年聴いてお気に入りだったヘヴィメタルバンド集だ!メロイックサインを掲げよ!
最初に紹介するのは昨年、来日も果たした初期北欧デスメタルレジェンドのGod Macabre。初期北欧デスメタルらしく、ハードコア由来のビートも効かせながらスピード一辺倒ではない緩急ある曲を展開する。極悪というよりは邪悪で不気味な侵食するかのようなデスメタルにメロメロ。
アメリカバンドでありながら00年代のジャーマンブラックメタルを彷彿とさせるような渋い男のメロディアスをガツンとぶつけて来る。ツイッターのフォロワーさんに勧めていただいたバンドなのだがすっかりハマってしまった…。
最後は名盤という扱いを受けながら今まで聴いてこなかったSilver Mountainの「Shakin’ Brains」からこの一曲を…。
この上手い連中が集まって、かっこいい曲を作ろうとするとB級感をそこはかとなく醸し出してしまうのが正にヘヴィメタル!最高だ…
とまあ新年一発目からヘヴィメタルな記事になってはしまったが、某と出前寿司レコードを今年も何卒、よろしくお願い致します。
追記:昨年は遂にベビメタにも手を出しました。
(文:ジョルノ・ジャズ・卓也)
おすしたべいこのMBV散歩 vol.1
みなさん!!!!!!
シューゲイザーはお好きですか?
My Bloody Valentineはお好きですか??
2017年はRideやSlowdiveといったシューゲイザーのオリジネイターでありレジェンドとして名高いバンドの復活作がリリースされ、Airielも新譜を発表し話題になりました。また近年は海外に留まらず日本でも揺らぎや17歳とベルリンの壁など、今シューゲイザーは国内外で盛り上がりを見せるアツいシーンであると言えるでしょう。
そして極めつけはMy Bloody Valentineです。そうです、彼らは今年のSONIC MANIAに出演します!!!!!!
うおおおおおおおおおお!!!!!!
チケット買っちゃったもんね!!!!!!
※画像は第2弾出演アーティスト発表時のもの。マイブラに限らずラインナップがやばすぎます。
今年新作を出すことが既に発表されていましたが(本当に出るのか正直まだ疑ってる)、久しぶりに来日してライブをしてくれることが本当に嬉しくて仕方がありませんね。8月17日が待ち遠しい!
という訳で私、無類のマイブラ好きとして来たるSONIC MANIAまでの不定期連載「おすしたべい子のMBV散歩」を始めちゃいます! 色々書いていこうかなと思います。色々って何だ。やや見切り発車ですがお付き合いいただけると幸いです。
* * *
さて、今回は第1回目ということですが、先日中野のディスクユニオンに行ったら興味深いものがあったので紹介します。こちらです。
まず高い!8,000円超え。そして何だこれ?こんなジャケット見たことないぞ…
ケースに入っているため裏を見ても収録曲がよく見えませんでしたが、表の黄色いタグには「蘭限定初期音源COMP」「Sunny Sundae Smile収録」などと書かれており何となく察しがつきました。
(ちなみに私は彼らの初期音源の中でもSunny Sundae Smileが大好きです。ジザメリみたいな甘酸っぱくノイジーなサウンドが最高です。)
いやちょっと待て、蘭限定…? ということはオランダか!!! ほ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
気づいたらレジにいました。ははは
家に帰って早速封を開けてみると…
なるほど。やはり初期のシングル4枚をまとめたベスト盤的なものでした。(それにしても盤面の4人が味わい深いな。私もビリンダに見下されたいですエホンエホン)
※ちなみにそのシングルは左上から
・Geek! (1985)
・The New Record By My Bloody Valentine (1986)
・Sunny Sundae Smile (1987)
・Strawberry Wine (1987)
ネットで調べると情報が出てきました。
RETROSPECTIVE / MY BLOODY VALENTINE (マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン) | レビュー | レンタルCD&DVD ジャニス
再発したのか?よく分かりませんが値段的にも物としてはまあまあレアでしょう。オランダのMELTING MOOD RECORDSからリリースされたみたいです。
で、気づいたんです。これ、収録内容が私が持ってる怪しげなものと全く同じなんです。
"Things Left Behind…"と名付けられたこちら。値段も7,000円以上はした記憶が。
改めて調べてみたらとある方のブログ記事を見つけました。
Things Left Behind.... / MY BLOODY VALENTINE、なかったことにしたい過去:犬だって音楽が好き。 (猫も好きだけど):SSブログ
えーと。笑
この記事によると、今回買った"RETROSPECTIVE"はバンド側の了承なくリリースされ販売差し止め請求を行なったらしいです。マジか。"Things~"も怪しいな。他にもこういうの出回ってたりするんですかね?
値段も以前は数万円したということは、やはり今は再発して流通枚数が増えて値段が下がったということなのでしょうか。
とにかく、結果として内容が同じでジャケットが違うものを2つ手に入れたことになってしまいました。
とは言え、どちらも初期の貴重な音源がCDで一気に聴けるので、ファンの方は探してみてもいいんじゃないでしょうか。高いですけど。初代ボーカリストのデイヴが抜けたりデビーやビリンダが加入する過渡期の彼らを楽しめます。私は自身のコレクター欲が満たされてとても満足しています。(正規のものじゃないからマイブラ側には申し訳ない気もするけど…笑)
今後もマイブラの中古盤は定期的に探しに行く予定なので、また何か発見があれば紹介しようと思います。とりあえず今回はこの辺で。
次回もシューゲイズシューゲイズゥ!
(文:おすしたべいこ)