Aqua Timezへ
2018年5月8日、ロックバンドAqua Timezが年内解散を発表しました。
Aqua Timez、2018年の活動をもって解散 (2018/05/09) 邦楽ニュース|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)
正直に言いますけど、このような結果になってしまうことを予想をしてなかったわけではありません。
詳しくは触れませんが、ここ数年色々ありましたし。
解散発表に際してメンバーからのメッセージが公開されていましたが、それを読んで「あぁ、そういうことか」となんとなく腑に落ちました。
新作アルバムの最後の曲が「last dance」で歌詞も意味深だったのも納得いきました。
僕は2006年に発表された1stシングル「決意の朝に」から約12年間、ずっと彼らの音楽を聴きながら生きてきました。
初めて音楽に興味を持ったのも彼らの曲で初めてライブを見に行ったのも彼ら。いつぞやのライブでゲットしたベーシストOKP-STARのチップは今でも宝物です。
心からウソ偽りなく「一番好きなアーティストはAqua Timezだ」と言い切ることすらできます。そのくらい私の中で存在の大きなバンドでした。
彼らのどこに惹かれたんだろう。
改めて考えてみると色々ありますが、一番は「一人でいじけている僕と一緒にしゃがみこんでくれる」ような存在だったことです。
ニット帽のヴォーカルにドレットヘアーのベーシストという出で立ちこそインパクトはあったけど、とんでもないカリスマ性があるかと聞かれればそうでもない。
トークも上手くなくてMステに出演したときもタモリに話題振られたときにはヒヤヒヤ。ライブのMCも基本グダグダ。
歳だってデビューしたときはアラサーでそんなに若くなかった。
一言でいえばAqua Timezはあんまりスターっぽくないです。
でもそんな飾らない姿が凄く等身大に見えて、親近感が湧きました。
歌われる歌詞も押し付けがましくなくて暑苦しくない。
ただそこにいて、いじけている僕と一緒にしゃがみ込んで一緒にいてくれる。
何か強くアドバイスしてくれるわけじゃないんですよ、ただそこにいてくれて相槌をうって話を聞いてくれるような存在でした。
友達がほとんどいなくてひとりぼっちだった僕にとって、この距離感が凄く自分の孤独を分かってもらえている感じで凄く好きでした。
年を重ねるとともに色んなアーティストの曲も聴くようになって、他のアーティストのライブにも行くようになりましたが、他のアーティストの曲聴くことでAqua Timezにしかない良さも分かったりして、その度に「やっぱり戻ってくる場所はここなんだな」と思ったりしました。
Aqua Timezと小学生の頃に出会った僕も、今では二十歳を超えてファンとしてのピークは過ぎました。昔ほど熱を上げなくなっていたのも事実です。
そんな中で思い出になりつつある部分もありましたが、
思い出だけではなくてキチンと現在進行形で自分にダイレクトに響く新曲を届けてくれる…そんなAqua Timezの存在にとても頼もしさを感じていました。
今年発表された新曲「未来少女」を聞いて「あぁやっぱり好きだなぁ」と心の底から思ったのを覚えています。
Aqua Timez 『未来少女』Music Video+SPOT映像
そして漠然ですが、
「これからの人生、自分が年取ってもずっとAqua Timezは活動してくれているだろうし、それを聴きながら僕は生きていくんだろうな」と思っていました。
でもその未来が今、彼らの解散という選択とともに消えてしまいました。
予想はしていてもいざAqua Timezが解散するという事実を目の当たりにすると、そのショックは大きかったです。
Aqua Timezが存在しているのが当たり前の世界で生きてきたのに、2019年からどうやって生きていけばいいんだろう。
これからも思い出は僕と一緒にしゃがみ込んでくれるかもしれないけど、
そこには思い出じゃなくて今のAqua Timezにいてほしかった。
解散は新たなスタートとも言いますが、新たなスタートを今は祝福できそうもない。
この喪失感はどうやっても表現できないです。
正直、今も心の整理がついていません。
いつか、僕も心から「大丈夫」といえるような日が来るのでしょうか。
そんな風に言えるようになってしまえるようになる自分に怖さも感じます。
でも「大丈夫」と言い聞かせながら、生きていきます。
Aqua Timezはあんなに「大丈夫」と歌ってくれましたから。
『 大丈夫な理由なんて一つもないよ あるわけない
「でも、大丈夫」
そんな突き抜けるような 前向きさ 最後はそれが 未来を決める
だいじょうぶ。 だいじょうぶだよ。 』
(文:Showta@)