『星』の答え(STARMARKET ライブレポート)
STARMARKET 再結成&来日ツアー
いったいどれだけのエモ好きがこの時を待っていただろうか。自分は完全に後追いだが。
発表されてすぐに名古屋でのライブのチケットを買った。
1stアルバムと2ndアルバムを何度も聞いて当日を迎えた。
そして当日。
名古屋の会場は栄のRAD。
入っていきなり泣きそうになった。
星をバックに、大傑作「Sunday's Worst Enemy」のジャケットがついたドラムセット。
本当にこれから、あのSTARMARKETのライブを観ることができるんだと思うと胸が熱くなった。
STARMARKETの前の The Coastguards、Mirror のライブが素晴らしく、十分すぎるほど盛り上げてくれた。
その後、自分はうまく観る人の間を抜け、2列目くらいまで近づくことができた。
そして待ちに待ったライブが始まった。
最初は3rdアルバムから「Count With Fractions」。ブレイクのタイミングで後ろから人がたくさん飛び込んできて、いきなりもみくちゃな状態から始まった。
その次でいきなり「Carry On」。ギターがかき鳴らされた瞬間に絶叫してしまった。人が波のように飛んで揺れて、もみくちゃが更にすごくなった。何度も腕を突き上げ、「Carry On!!」で観る人が皆叫ぶ。これぞパンクのライブって感じだった。そういうライブは久しぶりで、後追いの人間なのに懐かしい気持ちになった。
続けて「Hate You Still」、「North」を簡単なMCを挟みつつ演奏。2ndアルバムがもう21年前になってしまったこと、スウェーデンを想う曲として「North」をやるんだということを話した。
そして「初期の曲をたくさんやるから」とMCをしてから畳みかけてきた。1stアルバムからの曲、「Cozy And Warm」、「Parking Lot」、「Hollowminded」を立て続けに演奏。どの曲も1stアルバムから絶対やってほしかった大好きな曲で、どの曲もイントロが鳴った瞬間から腕を突き上げていた。サビはシンガロングした。特に「Hollowminded」は本当に好きな曲で、サビは飛び跳ねていた。正直、「Hollowminded」が好きなのは少数派かもしれないと思ってたから、一体になって楽しめたのは感動した。
勢いそのままに「Into The Well」と「Amber」を演奏。12月にストックホルムであった再結成ライブの評判通り、ここまでは初期のEPと1stアルバム主体で押し切ってきた。
「ほんの少し落ち着かせるよ。ほんの少しね。」とMCで話してから、中期~後期(3rdアルバム以降)の曲をやってくれた。「Baby's Coming Back」、「Coming From The Cold」、「Into Your Arms」、「Cologne」。「Into Your Arms」は全体がゆったりと揺れながらサビで合唱が起きた。本当に、ほんの少しだけ落ち着けた時間だった。
そして、「You Can't Come」。アルペジオの優しさとサビのバースト。「これが本当に本物のエモだ」と思った。生で聴くと落差が何倍もあるように感じた。
「You Can't Come」でフィードバックの音が残りながら終わって、じわじわと続いていた。「来るか・・・?いや、来てくれ!」と思いながらやっときた。「Repetition」。全員のテンションの最高潮はこの瞬間だったと思う。東京や大阪での「Repetition」の様子も後で動画で見てみたけど、名古屋のあの瞬間のほうが絶対にアツかった。そしてその中に自分がいたことがどれだけ凄いことかという感動も感じた。生で聴いてるときは今までで一番デカい声で歌ったし、一番飛び跳ねてた。「これで死んでもいい」。そう思えた。
その後「Everybody's Gone」をやって、ラストナンバーになってしまった。そう、「Safe Bayou」だ。号泣である。涙で前が全然見えなかった。盛り上がっては落ち着いて、さらに盛り上がってはさらに落ち着いて。こんなに長い曲だっけかと思った。ずっと落差が増えていくようだった。
アンコールはあった。
「Endless」。2ndアルバムのボーナストラックにある曲。とんでもないレアな曲からアンコールが始まった。
続けて「November」、「Losing Track」。1stアルバムと初期EPに収録のナンバー。とにかくこのツアーは初期の曲の網羅性が高くて嬉しかった。
〆。「Your Style」。1stアルバムの最初の曲。すべての始まりの名曲。これで終わるというところがライブのセトリの構成として美しい。もちろん自分は大はしゃぎだった。最後の力を振り絞って歌って飛んだ。
まさかのアンコール2があった。
「Chuck」。1stの名曲だ。大好き。「Chuckはやってくれなかったなあ」と思ってたらめちゃくちゃ嬉しかった。体力を使い果たしてて全然ノレなかったけど、幸せだった。
アンコール2でもう一曲やってくれたんだけど、曲名が分からなかった・・・恥ずかしい。
以上がSTARMARKETの名古屋でのライブの全容だ。2016年にサマソニでレディオヘッドを観た時くらい感動した。ライブで泣いたのもその時以来だったかもしれない。今でもあのライブは忘れられないし、ずっと記憶に残り続けると思う。
STARMARKET。星の市場。「星」とは何か。答えは「記憶」だ。
STARMARKETを聞くこと
STARMARKETを好きになること
STARMARKETを観ること
STARMARKETを好きでいること
そういうこと全部の「記憶」という「星」を売ってきたバンド
それがSTARMARKETだ。
という締めの一言を書いていたら、アニメ「ラブライブサンシャイン」の千歌ちゃんが「『私たちだけの輝き』ってなんだろう」って考えて二期の最終話で答えをだしたところを思い出した。
人混みすごそうで今のところまだ映画みてないんだよな。まだやってたら観たいな。
(文:ジュン)