最近また出てきた、あの一家の残した音の件
「あの一家」という風にちょっと詩的というかキザなタイトルをつけてみた。
ロックの歴史にその名を永遠に残すだろう一家といえば
The Smiths(スミス一家)
しかないだろう。
あの一家(一家じゃなくてバンドだけど)は無限ともいえるほどたくさんのフォロワーを残してきた。
そんなフォロワーの中から、まさに現在活動をしている、注目の若手バンドを二つ、今回は紹介しようと思う。下の二つだ。
(※本人たちはフォロワーと思われるのは心外というか気にしてないのかもしれないけど、今回初めて彼らを知る人たちに音のイメージを伝えるために、フォロワーという言い方をこの記事ではさせてもらう。)
まず一つ目。
Roan(ローン)
フィンランドのヘルシンキから。男子4人組で構成されているバンド。ザ・スミスのようなキラキラしたギターの音色と、北欧のポップみたいなテイストが合わさったインディロック。ザ・スミスっぽいというには割と明るめのすごく聞きやすいギターポップを鳴らしている。
今年リリースした新曲、「tell me」をまずは聞いてみてほしい。
この新曲は割と彼らの曲の中でも疾走感がある。ちょっとギターの音は重厚な気がするが、それにしても若者らしい爽やかな音楽である。
よりスミスのような音だと感じやすい曲だと、以前リリースした3曲入りのEP、「just for tonight」なんかがそれにあたると思う。リードトラックをどうぞ。
同じく同EPに収録の曲「Around the World」を。
このEPは2016年のリリース。「なんだ今更じゃないか」と思うかもしれない。
しかし。
今年、大阪のRimeoutから、このEPと最新シングルの「tell me」、そして彼らの以前のシングル曲も収録した7曲入りの日本独自盤がリリースされた。(9月ごろに出ていたのであるが)
購入はディスクユニオンなどインディロックを扱っているレコ屋、CDショップに行けば可能。(自分は名古屋の大須のとあるお店でゲット)日本独自盤はCDでしかない。サブスクリプションは今のところない。贅沢なCDである。
現地フィンランドではインディロックの期待の星としてかなりの人気がある模様。間違いなく日本でも今回の日本独自盤で人気をつかむはず。要チェックしてほしい。
日本独自盤のタイトルは「ローン」。ジャケットは上で紹介したEP「just for tonight」と同じ。ぜひ。(下がそのジャケット。なんかエモい・・・)
一つ目のバンド、Roanの話はこれくらいで。二つめのバンドを紹介しよう。
Vacations(バケーションズ)
オーストラリアからの4人組。出前寿司Recordsは1年以上前に発足したわけだが、実は自分としてはその時からこのバンドについていつか紹介したいとずっと温めていた。今回ようやく叶った。
なぜこのタイミングなのか。理由は簡単だ。
ついにフルアルバムのCDがでたからだ。(というより、春に出ていたことをようやく知った。待ってたのに恥ずかしい。)
彼らは以前からEPを2枚発表していて、どちらも公式でYoutube、サブスクリプションですべて聞くことができていた。(貼り付けたYoutube動画は彼らの2枚のEPが続けて聞ける、公式の動画だ。)
そして今回のアルバム、「Changes」がこれだ。
彼らの鳴らす音は、音自体は確かにザ・スミスのような美しいギターのアルペジオやコードの流れを聞くことができる。ただ、ちょっとレイドバックしたようなゆったりとした感じが全体的にある。
オーストラリアという美しい海が臨める国から、海の夕日を見ながら聞きたいサウンドが出てきた、という感じだ。
今回のアルバムからのシングルカットを2つ紹介しよう。
「Moving Out」
VACATIONS - Moving Out (Single)
「steady」
実はアルバムもyoutubeで公式がフルで発表している。10曲で34分というコンパクトさも大変な魅力だ。まだ聞いたことがないなら今年中に聞くべきだ。自分のように乗り遅れてしまう。
VACATIONS - Changes (Full Album)
以上2つのバンドを紹介して、この記事は終わり。
正直、「なんだよ今更じゃん」という感想しか、洋楽好きからしたら沸かないだろうと思う。
「知らなかった。いいじゃんこれ」って言ってくれる思いやりのある人がいますように。
(文:ジュン)