出前寿司Records

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Spangle call Shimokita line - 10/13 @ 下北沢近松

 

下北沢。

 

ライブを観るために何回も訪れてきたこの街で、こんな企画があった。

 

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"spangle" @下北沢近松

 

出演:

ayutthaya

yule

揺らぎ

羊文学

 

…は? 何このメンツ。これで前売り2,400円? は? しかも企画したのがクワタナオノリさん。は? いつもお世話になっております!

 

 

という訳でついに始まったクワタさんの"俺企画"。おめでとうございます! 無事大成功に終わりましたね。今回はそのライブレポをお送りします。

ちなみに、企画名に因んでか開演前と転換時はずっとSpangle Call Lilli Lineが流れてました。は? 最高か?

 

 

✱  ✱  ✱

 

 

ayutthaya

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トップバッターはayutthaya!今年の6月に下北沢で観て以来の2回目。やっぱかっけ〜〜〜! しかもこの日のサポートドラムはやおたくや氏(ex. パスピエ)! うおおおおおありがとうございます…。

サウンドオルタナティヴな感触ながら、絶妙な温度感というか、日常に寄り添い、そして彩るような優しさがayutthayaの音楽にはあると思います。テンションがちょうどいいんですよね。それでいてアンサンブルは鉄壁。めちゃくちゃノリノリではないけど確実に酔いしれる。これが中毒性ってやつか。あとボーカルのおみたおさん、普通に顔が好きです。何言ってるんですか?

ラストの"mottainai"がかっこよすぎて「このままライブが終わるのもったいない」と思いました。ガハハ。

mottainai (MV) - これ超好き。何回も観てる。

 

 

✱  ✱  ✱

 

 

yule

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こちらは9月に法政大学の企画で観て以来の2回目。ここから最前列のどセンターで観てました。

6人編成で織り成す綿密なアンサンブルが素敵なバンドです。非常にオーガニックなサウンドが心地良い。ギターのmagさんなんか、ボウイング奏法やっちゃってましたからね。他にもアコースティックギターシンセサイザー、グロッケンなど、幅広い楽器も特徴。目をつぶると、のどかな田園風景が浮かんでくるようです。かと思えば、力の込めた演奏もしてくるあたり、ロックバンドなんだなと思わされますね。

そしてボーカルのAnnaさん、非常に見目麗しいお方だ…。タンバリンをシャンシャンしてる姿がとても良かったです。

10/28には初のワンマンライブも開催するとのことで、これからのさらなる活躍に期待大です!

ゴーストタウン (MV) - どことなく北国の空気感を感じられて良い。

 

 

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揺らぎ

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ここであることに気づく。あれ? 今日出てるバンド、全部ボーカルが女性なのでは…? 偶然なのか、狙ってなのか。ということでお次はこの日一番のウィスパーボイスバンド、揺らぎ。

相変わらず最高でした。リハから音デカいしチューニングすらシューゲイズしてくる鬼っぷり。

鋭いドラムがやばすぎました。特に"Unreachable"の冒頭。からの、何もかもすべて出し切って果てるようなドラミング。そして悲鳴のようで怒号のようなギター。感情からサウンドへの繋がりがダイレクトだ…。

ベースの裕介さんも自ら「音がデカすぎる」って言ってました。じゃあ他のみなさんは大丈夫なんですか…? とにかくビリビリに痺れました。

Twitterで見かけた「自覚を持って明確に曖昧なことをやっている」という感想があまりにも適切でしたね。

Unreachable (MV) - もっともっと「追いつけない」場所まで行ってほしい。

 

 

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羊文学

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トリです。羊だけどトリ。羊だけど。

いよいよ会場も人で溢れ出し、最前列の柵に押しつけられるくらいの大盛況っぷり。もうこのサイズの箱には収まらないバンドなんだということを実感しました。

何気に久しぶりに観ましたが、まず思ったのが「ユリカちゃん髪切った?(CV:タモリ)」。ドラちゃん…。フクダくんは相変わらず脚が細いしデデデデの小比類巻。

そして1曲目の"ドラマ"から目をカッと開いてどこに視線が行ってるのか分からない塩塚モエカ。曲に込めた情念のようなものを見た気がしてゾワゾワしました。

"若者たち"の引き裂くようなギターから流れ込むイントロ、何回聴いても最高ですね。その瞬間だけ延々とリピートしたい。

終盤、MCでは塩塚氏から主催であるクワタさんに向けてこんな言葉が。

「クワタさんがライブハウスに通いつめた結果、今日の企画があって、それがソールドアウトしたということは、本当に素晴らしいです」

ずっと前から羊文学のライブに行っていたクワタさん。もちろん羊だけでなく、色々なライブに毎日のように通いつめ、様々なミュージシャンとの関わりの中で得られた信用が、クワタさんにはあります。そしてこの日、満を持して、素晴らしいブッキングでイベンターとしてのデビューを果たしました。いやはや。まさかこんな日が来るなんて。

アンコールの"天気予報"でこの日のアクトはすべて終了。約4時間、あっという間でした。

天気予報 (MV) - 良い曲だ。

 

(ちなみに塩塚氏、先日Yo La TengoのJamesからギターにサインをもらってまして、最前列だったのでそれがバッチリ見えました。カメの絵ですか? 見かけによらずかわいいサイン。人は見かけにヨラテンゴ。)

 

 

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本当に素晴らしい夜でした。私は最前列で大好きなバンドたちを観られる幸せを噛み締めました。どのバンドもこれからどんどん人気が出て、それも叶わなくなると思います。とても貴重な瞬間を目の当たりにできていることを誇りに思います。

 

そう言えば、終演後「近松はライブ後につけ麺屋になる」という怪情報を得たので、次回は是非とも食べてみたいですね。

 

クワタさんにとっては、イベンターとしての出発点であり、しかもソールドアウトということで、感無量だったかと思います。私自身、素敵なバンドのブッキングに感謝するとともに、少なからず込み上げるものがありました。

本当にお疲れ様でした! そして、"spangle"の2回目がもしあるのなら、とても期待しています。

 

 

Special Thanks:

さこれた、塩塚モエカ、みらこ

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(文:おすしたべいこ)