出前寿司Records

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梅雨空とeludeとSolitude HOTEL 5F

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—気づいたら 俺は なんとなく ドルオタだった

 

そう。本当に気づいたら、いつの間にか頭のてっぺんまでMaison book girlの沼に浸かっていました。どうも。よろしくお願いします。ありがとうございます。ありがとうございます?

 

事の発端は、渋谷のヴィレッジヴァンガードで行われた『elude』のリリースイベントでした。この時私は初めて生でブクガを目撃することになります。

 

△ 6月20日発売のシングル『elude』収録のリード曲「レインコートと首の無い鳥」のMV。めちゃくちゃかっこいいからとりあえず観てほしい…。

 

ブクガの4人を目の前にして感動し、矢川葵とツーショットのチェキまで撮って帰宅、その勢いで金銭的に購入を渋っていたワンマンライブのチケットをクレジットカードであっさり手に入れる、というスピード感のあるオタクを体現。ここで自分が完全なるブクガ沼にズブズブに溺れていることを悟りました。カーチャン、ぼかァ自分で自分が怖いよ…。

 

そんな訳で、ノリと勢いと推しの尊さに背中を押されて観に行ったMaison book girlのツアーファイナル公演「Solitude HOTEL 5F」の様子を振り返って行こうと思います。自分の感情の記録としてここに残す意味で。よろしければお付き合いください。

 

✱  ✱  ✱

 

2018年6月23日。まだ梅雨の時期だったこともあり、あいにくの雨。でもこの雨もどこかブクガのライブの一部のような気がして許せてしまう。足元を濡らしながら気持ちは静かに高ぶっていた。

 

会場は日本青年館。とても立派な建物だ…。ここでブクガを観れることが贅沢だというのはすぐに悟る。

 

とりあえず物販へ。お金ないしな〜とか言いつつ、一緒に行ったフォロワーと1枚1,000円のランダムチェキを5枚引くという暴挙に出た。 

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△ 散財の図。後悔はしてない。

 

結果として2人でメンバー全員を集めることに成功したので課金した甲斐があったというもの。和田輪のサイン入りは私が引きましたがフォロワーが和田推しだったので代わりに矢川ソロをもらった。需要と供給が一致した平和な世界…。

 

さて、いよいよ開場の時間。座席は指定席で、2階の最前列だった。中は想像以上に広くて立派で思わず胸が高鳴る。そして空腹でお腹も鳴る。「roomsの無音部分でお腹鳴ったらごめん」と謝っておいた。


少し押して18:00すぎに会場が暗闇に包まれ、SEが流れる。白の新衣装を着た4人が登場した。いよいよ始まる…。


〇 レインコートと首の無い鳥

リリースされたばかりのシングル『elude』のリード曲からライブはスタート。
大きなステージを存分に使ったパフォーマンスでいきなり鳥肌が立った。

曲中盤では、ステージ前方に設置されたブラックライトに照らされて衣装と靴が怪しく光る演出も。MVそのままや…。

ちなみにこの曲の一番好きなところは和田輪が歌う2番の「鏡の裏、冷たい朝。」の「あさ〜〜〜」と伸ばす部分です、伝われ。


〇 bath room (intro) ~ bath room

最初の音が鳴った瞬間にウワーーーーーとなり一気にテンションが上がる。会場中がイントロに合わせて手拍子をしていたけど自分はすでに半ば放心状態になりしばらく何も出来ずひたすらただステージを見つめていた。

ああ、4人が横一列に並んで踊ってる、あのMVと同じだ…と思っているうちに曲終了。


〇 faithlessness

もう駄目だった。駄目だった。イントロを聴いた途端約束されていたかのように目頭が熱くなり頭も痺れだした。あの時絶対良く分からない分泌物が脳から出ていた気がする。

何しろブクガを本格的に好きになったきっかけはこの曲のMVだった。4人のビジュアル、退廃的な映像観、独特な振り付け、そして「性的過去」というフレーズをアイドルが歌っているという衝撃。全部が型破りで新鮮だった。以来この曲がブクガで一番好きだった。

その曲を、生で観ている。井上唯決まってるな…。視覚情報に感情が追いつく前に曲終了。

 

〇 townscape

ステージ後ろのスクリーンに、様々な風景写真のスライドが手で差し込まれる映像が写されていた。スクリーンも観つつメンバーも観つつで目が忙しい。冒頭3曲で頭が訳分かんなくなっていたところに少し落ち着いた曲が来てくれて良かった。

 

〇 end of Summer dream

初夏なのに一気に夏の終わりへ。townscapeに続いてチルアウトタイム。いい曲だな〜。

 

MC

もう何話してたか全然覚えてないです。お直ししたのか和田輪が小走りでステージから捌けて小走りで戻って来たのがかわいすぎて全部吹っ飛んだ。

 

〇 sin morning

流れが完璧すぎる。あの名盤『image』からの4連発はここで終了。

 

〇 rooms

そしてここでroomsと来た。MCと少し落ち着きのある曲の流れからまた一気に血が騒ぎ出した。サビの無音部分で会場の照明が全て落ちて一瞬静寂が訪れる度に本当に息を呑んだし、その時だけ自分がどこか別の場所に飲み込まれたような感覚に陥った。

 

〇 言選り

心が全く休まる暇がない。このシングル続きはずるい。光の演出がとにかくすごい。

最後の鍵の落ちる音の部分で、矢川葵の手にレーザー光線が当たり音と共に光も消えるという演出があまりにも良くてキレそうになった。

 

〇 十六歳

そんで続けて『cotoeri』のカップリングと来たもんだ。広いステージを駆け回りながら歌うパフォーマンスにひたすら心を打たれる。もっと上手いこと感想を述べたいけど語彙が追いつかない。ごめんなさい。

 

〇 lost AGE

今回のライブの個人的ベストアクトはこの曲でした。楽曲と振り付けのかっこよさもさることながら、赤と青の照明に交互に照らされる演出にとにかく引き込まれた。(ライブ終了後の帰り道も無事lost AGEしか聴けなくなりました。)

 

〇 karma

からのkarma~~~~~?! 後方のスクリーンにはMV(と呼べるのか?)の映像が流れる。何かに急かされるような気持ちになり、その場から駆け出したくなるのを懸命に抑えていた。

 

〇 my cut

あーーーーー。そしてmy cutですよ。つくづく化け物みたいなセットリストだな。

コショが呼びかけてみんな立ち上がった。オールスタンディングの多幸感。誰の顔も見えなかったけどその場にいる人はみんな笑顔だったに違いない。文字通り会場が一つになる。

そして観客をアジテートする矢川葵、素敵すぎか? 

 

MC

この辺もライブが良すぎてあんまり記憶がありません。「次で最後です」「あっという間だね」みたいな話をしていたのは何となく覚えている。


〇 last scene

本編のラスト曲。メンバー4人の言うとおり本当にあっという間にここまで来てしまった。自分の感覚ではまだ30分くらいしか経っていないくらいだと思っていたのに、完全に時空が歪んでいる。

え? マジで終わるの? 待って待って待って待ってと懇願するも虚しく曲は終了。4人はステージを後にした。

 

〇 cloudy irony

まあとは言えそんなにすぐは終わるはずもなく。アンコールを求める大きな拍手が会場を包む中、4人は再び登場してくれた。今度はツアーグッズのTシャツを着ている。

ちなみに私はサビのキックするような振りの時に矢川葵のスカートから垣間見える「見せパン」をひたすら注視することに徹していました。邪念がすごい。許せ。

 

〇 snow irony

イントロが鳴った瞬間にウッソ~~~~~ンとなってしまった。だって「ironyシリーズ」2連発ですよ。ファンを殺すか。許さない許さない許さない許さない許さない。(許す)(落ち着け)(これが落ち着いてなんかいられるか)

 

MC

ここで印象的だったのはコショの言葉。要約すると「自分たちのやりたいことが出来るようにもっと上を目指したい」ということだった。やはり会場ごとに様々な制約があって思い通りの演出が出来ないこともあるらしい。

個人的には、今回の日本青年館公演の演出は、少しやり切れてない部分もあったのか…?と思ったりもしました。もっと大きな会場でブクガのライブを観たいですね。

 

〇 おかえりさよなら

サクライケンタがライブの最後をイメージしたという曲。ああ、これでもう終わりなんだな…と思うと、ものすごく寂しい気持ちに襲われた。アウトロの音は永遠に鳴り止んでほしくなかったけど、無常にも曲は終了。スタンディングオベーションの中、4人は捌けて行った。


〇 教室

2回目のアンコールを求める拍手の中、4人は例のレインコートを着て登場。手には本を持っている。『elude』収録のポエトリーリーディングの再現だ。

読み上げられる言葉に合わせて体育座りをしたり、ステージから順番に捌けて行ったり、とにかく完成度が高かった。

 

〇 レインコートと首の無い鳥

4人はレインコートに加えてペストマスクを装着して登場。まさかの2回目の披露だった。しかし最初に披露した時と振りも違うしひたすら怖い。海外のホラー映画を観ているような気分になる。そして誰もマイクは持たず歌っていない。

曲終盤、4人が横一列に並んでフラフラと観客側へ近づいて来る矢先、突然音がブッツリ切れてそのままライブは終了。静寂と暗闇の中、会場が呆気に取られていると、ステージ後方のスクリーンに「6F」の文字が浮かび上がり、次回のワンマンライブが2018年の冬に行なわれることが告げられ会場が沸いた。

そして会場が明るくなると、ステージには靴がぽつんと置かれているだけだった。

 

Solitude HOTEL 5F、完結。

 

✱  ✱  ✱

 

いいライブを観た後は感情がごちゃっとなりがちですが、今回は特にそれが酷く、今でもなかなかアウトプットが難しいです。

 

でもただ一つ言えるのは、Maison book girlはシンプルでもかっこいいということ。

 

シンプルというと少し語弊があるかも知れませんが、前回のワンマン「Solitude HOTEL 4F」はオーディエンスの理解の追いつかないパフォーマンスが話題になりました。それに比べると今回は光やスクリーンでの演出に留めており、それが結果的に4人のポテンシャルを最大限に引き出せていたのではないかと思いました。

  

ブクガはアイドルの化けの皮を被ったパフォーマンスユニットです。ポストPerfume的な立ち位置だと勝手に思ってます。これからもっと売れるはず。

 

ちなみに日本青年館公演後もリリースイベントは続き、私も2回参加しました。7月1日に渋谷のタワーレコードで行われた最終日はあまりにも混雑してほぼ何も見えませんでしたが、まさに大団円と言うに相応しい大盛況っぷりでした。

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△ 公式より。狭いスペースにわちゃわちゃいる。

 

総じて、ブクガはいいぞ!!!

 

最後にセットリストとそれを再現したプレイリストを貼ってお別れです。ありがとうございました。私はこれからもブクガオタクに精を出していく所存です。

 

✱  ✱  ✱


Maison book girl「Solitude HOTEL 5F」@日本青年館

SE

1. レインコートと首の無い鳥

2. bath room (intro) ~ bath room

3. faithlessness

4. townscape

5. end of Summer dream

MC

6. sin morning

7. rooms

8. 言選り

9. 十六歳

10. lost AGE

11. karma

12. my cut

MC

13. last scene

14. cloudy irony (en)

15. snow irony (en)

MC

16. おかえりさよなら (en)

SE

17. 教室 (double en)

18. レインコートと首の無い鳥 (double en) ※途中まで

 

△ セットリスト順のプレイリスト

 

 

(文:おすしたべいこ)