出前寿司Records

よりどりみどりの音楽カルチャーサイト

おすしたべいこのMBV散歩 vol.4

f:id:delivery-sushi-records:20180611005314j:image

 

突然ですが私は病気でして。

 

別に深刻な話じゃないです。というのも、既に持ってるアルバムだとしてもブックオフとかで中古で叩き売られているのを見つけると気づいたら買っちゃってるんですよね。私はこの病気に「救済」という名前をつけました。ごめんなさい深刻な話でした。

 

具体的に言うと、

スーパーカー「スリーアウトチェンジ」

ASIAN KUNG-FU GENERATION「ファンクラブ」「ワールドワールドワールド」

銀杏BOYZ「光のなかに立っていてね」

Base Ball Bear「C」「(WHAT IS THE) LOVE & POP?」

フリッパーズ・ギター「ヘッド博士の世界塔」

XTC「Skylarking」

といったアルバムはそれぞれ2枚ずつ持ってます。

 

自分の好きなアルバムが数百円とかで売られてたら悲しくないですか? 私は精一杯の慈悲の心でアルバムたちを救い出します。ひもじい懐から惜しげも無く蜘蛛の糸を垂らすんです。

 

ただの馬鹿ですね。

 

…ということで、大方予想はついたかと思いますが、マイブラLovelessにも「救済」の手を差し伸べている訳で。まあそもそも記事のサムネイルで3枚持ってますからね。既に2枚じゃないっていうね。現在CDで6枚所持してます。ハハハ。

 

ハァ。

 

でもでも、正直6枚なんてぬるい方ですよね? 全国のLoveless芸人のみなさんからは「たかが6枚くらいでイきんなやw」と罵声を浴びせられるかも知れません。まだまだです。

 

しかしここはLoveless芸人の端くれとして、今自分が所有しているものをいくつかピックアップして紹介させてください。よろしくお願いします。

 

(Loveless芸人って何ですか?)

 

 

✱  ✱  ✱

 

 

 1枚目:

 国内盤 / 1991年国内初盤

 

f:id:delivery-sushi-records:20180606234015j:image

 

まずはこちら。中野のディスクユニオンで購入したライナーノーツ付きの国内初盤です!!!

 

時期にこだわらなければLovelessなんていくらでも手に入りますが、国内の、それも初盤となると、自分にとってはかなり価値のあるものだと言えます。

 

これに対するツッコミとしては、

 

f:id:delivery-sushi-records:20180606234419j:image

①和訳のカタカナがクソだせえ

 

f:id:delivery-sushi-records:20180606234528j:image

②メンバーの名前がなんかちげえ

 

の2点となっております。

 

 

✱  ✱  ✱

 

 

2枚目:

輸入盤 / 1991年アメリカ製

 

f:id:delivery-sushi-records:20180606234943j:image

 

(盤面に手とか部屋が写りこんでるけど気にしない)

おそらく中古などで最も出回ってるのはこの91年の米国盤のような気がします。事実私もすでに2枚持ってます。

 

こちらに関しては特に説明もツッコミもありません。みなさんが一番見かけやすく手に入れやすいLovelessということで。買ってください。(?)

 

 

✱  ✱  ✱

 

 

3枚目:

輸入盤 / 1996年オーストリア

 

f:id:delivery-sushi-records:20180606235752j:image

 

最後に変わり種が来ました。なぜか急にヨーロッパ、しかもオーストリア

 

判断材料は、

 

f:id:delivery-sushi-records:20180607000114j:image

①盤面にMade in Austriaの記載

 

f:id:delivery-sushi-records:20180607000245j:image

②裏ジャケットに1996年の記載

 

です。正直中古なので外側と中身が違うものである可能性は否定出来ませんが、少なくとも中のCDはオーストリアなのかなと。

 

もうどこで買ったか忘れてしまいましたが、確か都内のブックオフだったような気がします…。侮れないよブックオフ

 

 

✱  ✱  ✱

 

 

さて、改めて3枚を比較するためにこちらの写真をご覧下さい。目に見えて違うのはやはりジャケットの濃淡と盤面のデザインです。

 

f:id:delivery-sushi-records:20180611003732j:image

(まずはジャケット。左から国内初盤、91年米国、96年オーストリア。)

 

一番濃淡はっきりしてるのは真ん中の米国製ですね。対してオーストリア製は日光で色褪せてるような印象さえ受けます。

 

そして極めつけはバンドのロゴ。

 

f:id:delivery-sushi-records:20180611004347j:image

 

ロゴの印字された位置と色が違うのがお分かりいただけるでしょうか。

オーストリアのやつ、海賊盤か???

詳細が不明すぎます。知ってる方がいたらご一報くださいといった感じだな…。

 

さらに、盤面も一瞬で違いが分かります。

 

f:id:delivery-sushi-records:20180611004936j:image

(同じく、左から国内初盤、91年米国、96年オーストリア。)

 

真ん中は盤面の印刷が薄く反射しますが、両サイドの2枚はがっつりつや消しです。で、色も全部違うという。

 

 

✱  ✱  ✱

 

 

…はい、特にこれといったオチはありませんが、一つのアルバムでも製造年や国によって違いが出るものだというのが伝わったかと思います。こういうのを集めて比較するのって面白いですよね。ただのコレクター欲かもしれませんが。お金が足りねえ。

 

みなさんも、他のバンドのアルバムなどでも色々比較してみると意外な発見があるかもしれません。同じアルバムを複数枚持ってるような同志がいたら是非やってみてください。

 

今回はこの辺で。次回もシューゲイズシューゲイズゥ!

 

 

(文:おすしたべいこ)

 

 

Joan of Arc 最初の2枚について(後編)

 Joan of Arc の初期について語る記事の後編。

 

 予告通り、この記事は彼らの2ndアルバム「How Memory Works」について語っていこう。

 

f:id:delivery-sushi-records:20180414131158j:plain

 

 

 簡潔に感想を言うと

 

いっぱいちゅき。(いっぱい好き)

 

 どこかのク〇アニメのフレーズが飛び出てしまったが、これは素晴らしい。1stアルバムはポストロックをしすぎて超実験的で聴きにくさMAXだった。そこからどうなるか不安を抱えながら聞いてみたら・・・完全に魅了されてしまった。

 

 エモとポストロックというのは切っても切れない関係があるけど、大体エモと結びつくのはマスロックが多い。もしくはハードコアよりのエモと轟音系ポストロックは近いものがある。だが、このアルバムはそのどちらでもない。エモと音響系音楽を見事に配合させた全く別の音楽だ。

 

 単純に1stアルバム「A Portable Model Of...」とこの2ndアルバムを比べると、音のごった煮ではなくなって、バンドサウンドをかなり重視して、すこしピコピコ電子音があるという程度にまで整理されているといった印象がある。ここが前作から進化している大きな点である。

 

 

 では収録曲の一部にコメントしていこう。

 

#2 Gin & Platonic

実質#1。(#1は電子音だけの小曲で、この曲のイントロのようになっている)

バリエモい。まさにCap'n Jazzから進化してる感じ。前作から急成長を遂げてバンドサウンドと電子的な音が一体になってる。


Joan of Arc - Gin & Platonic

 

 

#3 To've Had Two of

フロントマン、ティム・キンセラによる弾き語りを中心とした曲。前作にはなかったストリングスの音をささやかながら入れ、優しく贅沢に仕上がっている。


Joan Of Arc - To've Had Two Of

 

 

#4 This Life Cumulative

これもバリエモい。電子音からバーストして、おとなしくなって、またバースト。


Joan Of Arc - This Life Cumulative

 

 

#5 A Pale Orange

このアルバム中で最長で7分近くある曲であり、もっとも音響音楽をしてる。弾き語りから始まり、一瞬だけ歪んだギターが響くが、あとは電子音に飲まれていく。こんな構成の曲が作れるなんて変態としか言いようがない。この曲をこの順番の位置に置いたということも良い。「このアルバムはもう少し難解な曲があってもいい」と思ったタイミングで響く。


Joan Of Arc - A Pale Orange

 

 

#10 God Bless America

このアルバム中で一番エモい。クリーントーンと歪んだギターの混ざりあいが見事。


Joan of Arc - God Bless America

 

 

#11 A Party Able Model Of

このアルバムのラストナンバー。まさかのピアノ弾き語り。そしてあり得ないぐらい美しい。ストリングスも気持ちいい。


Joan Of Arc - A Party Able Model Of

 

 

 どうだろう。前作に比べて随分と聞きやすく、それでいて程よい捻くれ具合だと思わないだろうか。11曲で40分弱というコンパクトさも手伝って、一気に聞くことができるし、かなり名盤だと思う。

 

 もう少し大人しくして、さらに整ったアルバムが3rdアルバム「Live in Chicago 1999」、4thアルバム「The Gap」であり、一般的にはこの2枚がJoan of Arcの名盤とされている。

 

 だが、エモバンド出身らしい静と動のコントラストと単純なバンドサウンドの良さならこのアルバムに軍配が上がるだろう。

 

 

 

 採点。

 

 4.5/5.0

 

 1stアルバムとのギャップもあって高めになっているが、本当に素晴らしい作品である。

 

 

 Joan of Arc について前編、後編と分けて記事を作ってみたが、楽しんでもらえただろうか。

 

 前編で紹介した1stアルバム「A Portable Memory Of...」相当な音楽好きでないと初聴きでは理解できないと思う。自信があったら挑戦してほしい。

 後編(この記事)で取り上げた2ndアルバム「How Memory Works」はエモが好きなら誰が手に取っても楽しめるだろうし、Joan of Arc 入門、ひいてはポストロック入門にも適していると思う。

 

 

(文:ジュン)

 

いろんなSmells Like Teen Spirit

どうもShowta@です。

みなさんSmells Like Teen Spirit」っていう曲をご存知でしょうか?

f:id:delivery-sushi-records:20180423233616j:plain

…なんて聞いたらズッコケられそうですね笑

 

言わずと知れた90年代のロックアンセムSmells Like Teen Spirit


Nirvana - Smells Like Teen Spirit

カートコバーン率いるNirvanaが1991年に発表した楽曲でとにかく売れまくって、

音楽シーンをグランジに染め上げた1曲ですね。

 

そんな影響力抜群な楽曲だったわけですから、様々なアーティストにカバーされています。

今回の記事では「いろんなSmells Like Teen Spirit」と題して、YouTubeで様々なSmells Like Teen Spiritを集めてみました。

 

 

① "Weird Al" Yankovic


"Weird Al" Yankovic - Smells Like Nirvana

おい!初っ端からカバーじゃなくてパロディかよ!

というツッコミは置いておいて・・・(笑)

マイケルジャクソン、エミネムレッチリといったアーティストをパロってきたパロディ王様がMusic Videoを完コピ(?)してます。

歌詞が原曲の支離滅裂な歌詞を「何言ってるかわかんねーよ」っていう具合に冷やかしててヒヤヒヤします・・・。でもこのパロディ曲、カートは気に入ってたんだってね。パロディではありますが、見てわかる通り完成度は高いです。

 

 

 ②  後藤邑子


後藤邑子 - Smells Like Teen Spirit

門脇舞以によるオフスプリングの「Pretty Fly」の激萌えカバーを生み出したコンピ盤から。

このアルバム、ちゃんと聞いたことないんですけどどういった趣旨のもとに作られたんでしょうか??ホント謎。

原曲のスピード感を取っ払い、なんともゆるーい甘々バラードに。このアレンジのおかげで曲はなんと7分にも及んでます。

この斬新なカバーにYouTubeのコメント欄でも「noooooo!」「what?」と絶賛の嵐。

なんか何度も聞いてると遠くの方からミ・ミ・ミラクル☆ ミクルンルン☆って聞こえてくる気がします(末期)

 

 

Man With A Mission 


Man With A Mission - Smells Like Teen Spirit

日本の狼バンドもSmells Like Teen Spritをカバーしてます。 

大胆にラップ、スクラッチを曲中に取り込んで結果なんかリンキンパークっぽい?

グランジっぽさは無くなってちょっとだけヒップホップ感ありますね。

楽曲を自分たちのフィールドに持ってきちゃってる感があって、これはこれでカッコいんじゃない?と個人的には思いました。

 

 

④Bruno Mars


Bruno Mars Billie Jean , Smells Like Teen Spirit Live

ブルーノマーズがギターをもってSmells Like Teen Spiritを!!???

ただ、これに関してはちょっと変わり種です。

演奏自体はSmells Like Teen Spiritでもその演奏をバックに歌うのはマイケルジャクソンのBillie Jean(!?)という

とんでもないミックスカバー案件。

さしずめSmells like Billie Jeanと言ったところでしょうか。

 

 

Nirvana


Nirvana First Live Performance of Smells Like Teen Spirit

最後はNirvana。本家大元です。

これはどんな動画なのかというと動画タイトルにある通り、初めてライブで披露したSmells Like Teen Spirit

初演ってこともあって音源としてリリースされたヴァージョンとは歌詞やらフレーズやら違っていて、今聞くと未完成な感じがしますね。

それにしてもカートの金切り声が凄いし、ヴォーカルの熱量がヤバい。このヴァージョンはこれはこれで良い。

 

 

 

 

いかがだったでしょうか?

もちろん、これはほんの一握り。

YouTubeを軽く巡っただけでもいろんなSmells Like Teen Spiritを発見できました。

こういう楽しみがあるのでYouTube見てると時間が経つのが凄い早いんだよなぁ・・・

 

個人的には

直訳カバーでお馴染みの"王様"がこの曲、カバーしてくれないかなぁって思ってます笑


Fails Nirvana- Smells like teen spirit

 

 

 (文:Showta@)

 

Joan of Arc 最初の2枚について(前編)

 ポストロック/エモが好きだ。そうなると避けて通れないのはキンセラ・ファミリーだろう。というわけで、今回はキンセラファミリーの代表的なバンド、

 

Joan of Arc

 

彼らの初期について簡単な記事を書くことにしよう。

 

  前編と後編に分けて記事で取り扱うのは彼らの1stアルバム「A Portable Model Of...」2ndアルバム「How Memory Works」である。

 

 前編では1stアルバム「A Portable Model Of...」について語ろう。

 

f:id:delivery-sushi-records:20180401153345j:plain

 

 

 はっきり言って、このアルバムは滅茶苦茶だ。

 

 

 散らかりすぎていて全くつかみどころがない。それでいて聞きやすい曲、音も少ない。小曲を挟みすぎている。どんなにひいき目に点数をつけても100点満点中60点。とりあえず収録曲の一部を聞いてもらおう。

 

#2.The Hands

変な電子音が混ざりつつ優しいバンドサウンドなのに、ボーカルのテンションが高すぎる(笑)。


Joan of Arc - The Hands

 

 

#4.Let's Wrestle

オーソドックスなインディーロックって感じの曲。


Joan of Arc - Let's Wrestle

 

 

#6.Post Coitus Rock

やっぱりボーカルのテンションがおかしい。


Joan of Arc - Post Coitus Rock

 

 

#7.Count To A Thousand

このアルバム中最長の曲で、8分あるインスト曲。ドローンなのか何なのかわからない音とか電子音とかの後ろからギターの音がやってくる。同じフレーズばかり弾きながら別のギターの音とか電子音とか色々鳴ってる。一番ポストロックをしてる曲。


Joan Of Arc - Count To A Thousand

 

 

#8.How Wheeling Feels

静謐なヘンテコ音楽を聴かされた後のロックナンバー(電話の呼び出し音みたいな音がずっと後ろで鳴ってるけど)。かと思ったら激しいのは2分くらいで、あとは静かなアウトロがずっと続くヘンテコな曲。


How Wheeling Feels - Joan of Arc

  

 

#13.(I Love A Woman) Who Loves Me

このアルバムのラストナンバー。重なり合うギターの音が優しい。最後にテレビが壊れたみたいに「ぶいーん」って切れておしまい。


Joan of Arc - (I Love a Woman) Who Loves Me

 

 

 これらの音源は聞きやすい部類の曲なので「そんなに難しいか?」と思うかもしれない。けれど流れるように優しい曲から全然違う曲が始まったり、間にOKコンピューターの「fitter happier」みたいな曲があったり、謎の女の絶叫があったり。カオスそのもの。

 

 ただ、伝説のエモバンドCap'n Jazzから、これだけカオスで実験的な音楽ができたことは、のちの彼らの傑作(3rdアルバム「Live in Chicago 1999」、4thアルバム「The Gap」)ができる過程として見ると深い意味がある。

 

 このアルバムのリリースは1997年で、前年の1996年にはトータスの2ndアルバム、ガスターデルソル「アップグレード&アフターライフ」といった後にポストロックを代表する超名盤になる作品がリリースされているが、まだまだポストロックは過渡期という頃だ。だから彼らもいろいろ探りながら作っていたんだと思う。先に述べた彼らの傑作3rd、4thに比べると格段にこのアルバムは遊んでいてヘンテコだ。

 

 毎年のように頻繁に、いろんなアルバムを出す彼らのアクティブで自由な感じが最初からあったことを十分に証明してくれる一枚だと思う。ただ、全く聞きやすくないので、聞くのであれば覚悟はいる。

 

 そして、この聞くに堪えないほどのヘンテコさを大きく進化させたアルバムが2ndアルバムの「How Memory Works」である。それは後編で語ることにする。

 

 最後にこの1stアルバムの採点。

 

 2.0/5.0

 

 非常に辛くつけた。これを理解するのはまだ遠く先になりそうだ。

 

 

(文:ジュン)

 

熱くブチまけろ!冷たく切り裂け!覚悟をキメろ!! THE STAR CLUB「HOT & COOL」

f:id:delivery-sushi-records:20180423233058j:plain
THE STAR CLUB / 「HOT & COOL」


日本のパンクの生ける伝説・THE STAR CLUBがメジャーデビュー直前の83年にインディーズへの置き土産に投下したライヴアルバム。本作を聴かずして日本のパンクロックを語ることは絶対的に許されないと断言する。


パンクロックを知りたいのならばSEX PISTOLSを聴けばいい、それでもお前のその渇きが癒えずにいるのならこのアルバムを手にすればいい、いや、どのみち背中に刻まれたパンクロックの業の烙印が焼け付くように痛み、それを慰めるために街をさ迷うお前は吹き抜ける風の中に漂う錆びたナイフで切り裂いたようなJapanese 80's Punk特有の血の臭いに引き寄せられてこのアルバムを手にするだろう。


ただし「聴く」という感覚を放棄するべきだ。「体感」する姿勢と覚悟を以てして臨むべきパンクロックがここには渦巻いている。その臨場感から噴き出すようにして眼前に広がるバイオレンスな幻影に引きずり込まれて切り刻まれても尚もその魂をパンクロックに捧げる覚悟があるのかを問う程の生々しい迫力と戦慄に支配されたライヴアルバムである。


ヒリついた客の声は混沌をより深め、その中でバンドのサウンドはひたすら破滅的に暴れのたうち回る、HIKAGEのボーカルはあのダミ声ではなくジョニー・ロットンのような歌唱とトリックスターの如し振る舞いで鋭く妖しい磁場を放ちながらこのアルバムがLIVE(生)であること足らしめている。


日本のパンクにおける体制と反体制は所詮は架空の「ごっこ遊び」にしか過ぎない。しかし、ここに真空パックされたパンクロックの衝撃塊はそれらの理論や定説を粉砕突破する根源的な音楽としてのロックンロールの破壊力を持っている。


収録曲の解説?当時の音楽シーンについて?メンバーの演奏について?俺は言った筈だ、「聴く」な「体感」しろと、これ以上の言葉も解説も無い。ここで書かれた文章のほとんどはお前の覚悟を試す注意書にしか過ぎない。


さぁ、覚悟をキメたか?


ならば常に時代の「Now」の首筋にその刃を当て問う強襲者であるためのリアリティーを時代の腐敗に合わせて研ぎ澄ますロックンロールを気管がズタズタに切り裂けるまで吸い込むといい……お前の欲して止まないこの純トロのパンクロックがお前を解放し、より深く切り裂くだろう……


このアルバムを「体感」した衝撃中毒者(ショック・ジャンキーズ)と化した連中が圧倒的加害を持って街の退屈を切り裂くことを願って寄稿する……



(文 : Dammit)

Homecomingsで幸せになろう

  

どうも。さこれたです。

早速ですが再生ボタンをどうぞ。


Homecomings - Songbirds(Official Music Video)

 

この曲、4月21日に公開となった映画「リズと青い鳥」の主題歌となっております。

 

なんじゃこりゃ〜〜〜〜〜!!!Homecomingsのコーラスは人の涙腺を壊す。

こんな曲流れたら映画の内容全部忘れるだろ。

 

 

主題歌となったので、最近このバンドを目にした方々も多いと思います。

せっかくなので、ホムカミことHomecomingsの魅力をお伝えし、あなたを依存症にさせたいと思います。

お酒とタバコは20歳になってからですが、ホムカミは何歳でもいけます。

早く依存して。

f:id:delivery-sushi-records:20180430212247p:plain

 

 

■ Homecomingsとは

京都のバンドでマジかってくらい音楽と映画が好きな方々。

ギターの福富君がよく3人にいじめられているけど、嫌そうでもないので多分M。

よくみんなでご飯をもりもり食べているので、多分いい人たち。

 

女子三人に囲まれてバンドやるなとかいう嫉妬はやめろ。

 

 

■代表曲からお勉強しましょう

Homecomingsの代表曲といえばおそらく「HURTS」になるのではないかと思います。

 

 

英語下手とか言うな。美メロは正義みたいな曲だな。

個人的には、この拙い発音こそがHomecomingsの一番の良さだと思うので優しくしろ。(日本詞もあるよ)

 

「毎日毎日とは言わないけれど

嫌な事が次から次へとやってきて

なんとなくの寂しさが夜に向かってくる」

 

俺らの曲?

 

 

 

畳野さん(Vo.)の声は切ないし、後ろのサウンドはその空気感を増幅させるし、全秒無駄がない。

いつだって僕らの味方だな。

 

いつだって僕らの味方なバンドは信用できる。スターじゃないバンドにしか救えない人間がいるので。

 

 

 

大好きな曲。個人的には「HURTS」を超えて表題曲となると期待していました。

もっと評価されろ。

 

好きすぎて言語化できませんが葬式で流すやつです。

初夏を迎えるにあたり、ヘビロテになるでしょう。夏にも救ってくれるのかよ。

 

 

■まとめ

やっぱ僕たちはいい音楽を聴いていたいじゃないですか。人によっていい音楽なんて違いますけど。日常に流れている音もそうだし、ライブの空気感も、好きな曲を聴いていた時の情景も。全てが無限に続いて欲しいなと思いますよね。

 

 

そんな儚さも寂しさも含めて、幸せにしてくれるのが僕の中のHomecomingsです。

 

※アルバムのライナーノーツが最高なので、ハマった人はフィジカルで是非。

 

 

映画『リズと青い鳥』ED主題歌「Songbirds」

映画『リズと青い鳥』ED主題歌「Songbirds」

 

  

SALE OF BROKEN DREAMS

SALE OF BROKEN DREAMS

 

 

I Want You Back EP

I Want You Back EP

 

  

Somehow, Somewhere

Somehow, Somewhere

 

 

 

 

 (文:さこれた)

 

  

Tranquility Base Hotel & Casino レビュー

 レビューすぐ書くすぐ書くと言っておきながら色々忙しくて結局今になってしまった。Arctic Monkeys の5年ぶりのアルバム「Tranquility Base Hotel & Casino」。

 

f:id:delivery-sushi-records:20180520195533j:plain

 

 僕はこれを忙しい間を見つけてはリピートした。レビューの為に。そして思った。

 

 これは赤点ギリギリ。

 

 リリース前からのウワサ通りにピアノをかなり前に押し出して、全体的な雰囲気がアダルトでエロい。バーでウイスキーを片手にかけて流したい、そんなアルバムではある。

 

 とりあえず今作中でも「これはキラーチューンになるな」と初聴きで思ったトラック#6「Four Out of Five」を聞いてみてほしい。(やはり彼らも自信があったのか、PVを作っていた)

 


Arctic Monkeys - Four Out Of Five (Official Video)

 

 「Four Out Of Five」 の TVライブ版

www.youtube.com

 

そしてもう一つ。今作トラック#9「She Looks Like Fun」 TVでの演奏

www.youtube.com

 

 ライブ版ではそれほど悪くないように聴こえるが、通常の音源で聴くと、このアルバムには太さがない。それが悪いとは言わないが、「UK代表のロックバンドの一つへと成長した彼らが『AM』をどう超えていくのか」と期待していた僕は心底肩透かしを食らってしまった。しかも、今作中の曲がそれほどバラエティに富んでいるわけでもないことも残念だ。キラーチューンになるだろうと思った「Four Out Of Five」も、なぜそう思ったかというと、初聴きで「Four Out Of Five」しか記憶に残らなかったからだ。

(Four Out Of Five 以降、つまりこの作品の後半は結構曲と曲の切れ目がしっかりしていてロックなテイストもすこしあってメリハリがあったが、序盤がゆったりずっとつながっているようでぼんやりしている)

 

 はっきり言って、僕にはその程度のアルバムだった。

 

 成熟した重厚なロックを鳴らしていた前作「AM」にも今回のアルバムにあるような曲はあった。「No.1 party anthem」、「Snap out of it」、「I wanna be yours」。それらには柔らかさだけではなく、太い一本の幹があるように聞こえ、押しも押されもせぬロックバンドとしての強さがあった。

 

 このアルバムは「俺はストロークスの一人になりたかったけど、今じゃこのザマだ」と言って始まる。ー トラック#1「Star Treatment」の一節だ。

 

 このザマ。あまりにも今作によく似合っている。彼らの強さはどこにいってしまったのか。

 

 アークティック・モンキーズが大好きでたまらない人は別に今作が悪いとは微塵も感じている様子はなさそうだ。

 だが、全くこれと同じ音楽を別のバンドが作ったとしたら、評価されるだろうか。僕はそう考えたとき、このアルバムはひどく叩かれることも絶賛されることもなく、多くの人に何度も聞かれるようなアルバムにはならないんじゃないかと思った。だから、このアルバムはそれほどいい出来だと思えない。(実際、聞いてる途中でAMが恋しくなってしまうことが何度もあった)

 

 かなり口悪く書いたが、どうも評判が良すぎると感じたので。

 

 僕くらいはそれにあらがっていいと思ったのだ。

 

トラックリスト (赤字は良いと思った曲)

#1 Star Treatment

#2 One Point Perspective

#3 American Sports

#4 Tranquility Base Hotel & Casino

#5 Golden Trunks

#6 Four Out Of Five

#7 The World's First Ever Monster Truck Front Flip

#8 Science Fiction

#9 She Looks Like Fun

#10 Batphone

#11 The Ultracheese

 

 

 採点 

 2.5/5.0

 

 せめてものフォローだが、夏の夜のBGMにはかなり良いと思う。これを理解するために僕はこの夏、ベランダで夏風に吹かれながら時にこれを聞いて、理解できればいいなと思う。(もし理解が今と変わったら、弁明する記事を改めて書きたい)。

 

 

 (文:ジュン)